新卒はキャリアの切り札とも言えるほど、就活で企業側が欲しがる人材です。しかし、さまざまな理由から新卒での就活ができず、既卒で就活する人も少なくなりません。

既卒の場合、新卒よりも就活が難しくなるとも言われており、「もう内定を取るのは無理かも」と感じている方も多いでしょう。

そこで今回は、なぜ既卒だと就活が難しいのか、既卒からの就職を目指すために今からできる方法について紹介します。

既卒からの就職も決して無理ではありません。この記事を読んで、ぜひ明日からの就活に活かしてみましょう。

既卒の就活が厳しいって本当?既卒の就活が難しい理由

「既卒になるともう正社員での就職は無理!」「既卒は契約社員とか業務委託とかで正社員にはなれない!」と思い込んでいる方も多いのではないでしょうか。

確かに既卒と新卒に比べた場合、最初から正社員で雇用される可能性は低くなるでしょう。

しかし、決して「無理」ではありませんし、実際に既卒で正社員になっている人もたくさんいます。それなのになぜ、既卒の就職が厳しいと思われてしまうのでしょうか。

既卒の内定者は現役学生の半数以下であることは事実!コロナの影響も

マイナビの調査によると、2020年度の既卒者の内定率は34.4%となっており、現役学生の内定率に比べて約半数以下であることが報告されています。参考:マイナビ「マイナビ2020年度既卒者の就職活動に関する調査

このコロナ禍で、全体的に採用の枠が縮小している中、企業側が既卒を次の選考に進めるのが難しいという背景もあるでしょう。

大手で、この時代でもまだ終身雇用を目指しているような企業であればあるほど、新卒を雇用して自社できちんと育てたい、自社が求める人材にしていきたいという希望があるため、新卒枠を保守するために、既卒枠を縮小・あるいはなくすという選択を取るためです。

新卒が優先されてしまうと、そもそも既卒枠がなくなり、応募すること自体ができず、結果的に既卒の内定率が低下しているという流れが考えられます。

採用側は新卒カードを使わなかった・使えなかった理由が気になる

既卒の就職が難しい理由は、企業側が採用時に「なぜ新卒カードを使わず、ここまで就労経験がないのか」を考えてしまうからです。

既卒では「有利とされている新卒カードを使わずに理由は何なのかを確認する」という作業が追加されてしまい、採用側としては面倒が増えます。

応募書類にブランク期間のことを書かなかった場合、書類審査の時点で採用側には「よくない想像」しか生まれず、その後の選考を通るのが厳しくなるという理由があります。

精神的に疲れる…既卒は就活行動が少ない

既卒が正社員で内定を取るのが難しい理由としては、単純に「就活してないから」という理由が意外に多くなっています。

「マイナビ2020年度既卒者の就職活動に関する調査」によると、「現役時代との活動量の比較」という項目において、「(かなり・やや)活動量が減った」と回答した人が63名(全体の23.8%)いました。参考:「マイナビ2020年度既卒者の就職活動に関する調査

つまり、既卒で内定が取れないと悩んでいる人の中には、そもそも「応募の機会が減った」ことが原因の人がいるということです。たくさん応募すれば母数が増え、内定へも近道となるため、まずは就活行動が重要となります。

「疲れた」「モチベーションが保てない」などの理由で応募していない人にとって、既卒で正社員の内定を取るのは確かに難しいでしょう。

既卒の就職は無理ではない!未経験から正社員になる方法

結論から言えば、既卒でも正社員の求人に応募し、内定をとっている人はたくさんいます。では、具体的にどのようなことをすれば、内定を取れるのでしょうか。

ここでは、既卒・未経験でも正社員で内定を取るための方法について紹介します。

就活行動量を増やす!応募書類を効率化してどんどん応募しよう

まずは前述したように、就活の行動量を増やし、採用確率の分母を大きくすることが大切です。

「3社しか応募していないのに内定ゼロ」は当たり前です。出来るだけ多くの企業に応募して、内定のチャンスを増やしましょう。

しかし、手書きの履歴書、応募のたびに作成するエントリーシートなど、就活には面倒なことが多いのも事実です。このような煩雑な作業が1社応募するたびに増えることでうんざりしてしまい、結果的に行動量が減るのも仕方がないことでしょう。

そこでおすすめしたいのが、転職サイトの活用です。

「未経験なのに転職サイト?」と驚く方もいらっしゃいますが、転職サイトでは前職にアルバイトや業務委託を入力することも可能です。一番のメリットは、応募書類をテンプレ化して複数の企業に効率的に応募できることです。

志望動機や自己PRは企業によって適宜アレンジが必要ですが、学歴、性格、趣味などの項目は、どの企業でも共通して同じことをアピールするため、手書きよりもテンプレに従って入力し、使いまわした方が効率的です。

応募までのステップが簡略化されて、応募書類の作成が短時間で済めば、「応募書類書くの面倒だな」「今はやる気が出ないからまた明日にしよう」などの言い訳を潰すことができます。

どんどん応募して、内定獲得の確率を上げることができるでしょう。

アルバイトで強みとしてPRできることを見つける

既卒からでも正社員を目指すには、やはり社会経験が必要です。

留学や特定の資格取得など、公にできる理由があれば、無理に社会経験などはなくても採用されるかもしれません。

しかし、既卒から応募までのブランクが長い方の場合、一度も働いた経験がないと、企業側としては雇用したあとにどんな働きをしてくれるのか想像する材料がありません。

だからこそ、ブランク期間にはアルバイトをしておくことをおすすめします。

ただ単に社会経験を積むことができるだけでなく、企業にPRできる自分の強みを見つけることができるからです。

コミュニケーションを取るのが得意、物事の本質を掴むのが得意、ワークフローを効率化する取り組みを提案できるなど、実際に働いてみて初めて実感できる強みがあるでしょう。

企業側としてはこのような具体的な強みを提案してもらえると、既卒でも採用後のメリットを感じやすくなります。

既卒歓迎の求人に積極的に応募する

追い詰められていると気がつかないことも多いのですが、実は既卒歓迎の求人も少なくありません。

特に人手不足の業界においては、既卒でも優秀な人材ならすぐにでも雇用したいと考えているからです。プログラマーや介護士など、需要に対して人材の育成が十分ではない業界では、「既卒歓迎」と明記した求人が出回っています。

このような求人であれば、既卒であっても正社員で採用してもらいやすくなります。資格が必要な仕事ばかりで、自分には応募できる求人がない…と諦める必要はありません。

ハローワークには求職者支援訓練という制度があり、月10万円を給付してもらいながら、無料で職業訓練が受けられるのです。参考:厚生労働省「求職者支援制度のご案内

資格を取得すれば、上記の既卒歓迎求人にも応募できます。「既卒歓迎」のタグで検索し、応募可能な求人を見つけましょう。

まとめ:既卒から正社員になることは無理じゃない!行動に移して求人選びから見直そう

既卒で正社員雇用が難しいと言われているのは、そもそも就活行動自体が現役学生に比べて減っていることや、ブランク期間の説明が難しいからと言えます。

しかし、この記事で紹介してきたように、アルバイトなどで自分の強みを見つけ、応募書類作成を効率化することで、就活行動を増やし、ブランク期間に身につけてきたことをアピールすることができます。

ハローワークの制度も活用しながら、既卒歓迎の求人に積極的に応募して行くことで、既卒から正社員になることは可能です。

まずは今からできるアルバイトを見つけ、求人検索の際に「既卒歓迎」求人に焦点を絞って探し、コンスタントに応募することを続けてみましょう。