コールセンターは、座ったまま仕事ができて、電話をかけたり受けたりするというシンプルな仕事内容のため、特に女性に人気の高い仕事です。

しかし人気の一方で、人間関係が最悪、実は座りっぱなしもきついなど、悩みを抱えながら働いている人もたくさんいます。

そこで今回は、コールセンターの人間関係での悩みに加え、他にもよく聞く悩みについて解説します。

コールセンターの人間関係の悩みは根深い!上下と横の関係で悩むことも

コールセンターで働いたことがある方のうち、ほとんどの人が悩んだことがあるのが、「上司との人間関係」でしょう。

確かにコールセンターの上司との関係は特殊なものですが、その他にも場合によっては同僚との人間関係で悩む人もいます。

そこでここでは、コールセンターの人間関係の悩みにフォーカスして、何が辛いのかについて解説します。

SV(スーパーバイザー)の圧がすごい!公開説教から呼び出し説教まで辛い悩みがたくさん

コールセンターの人間関係の中で最も高頻度で現れてくるのが、上司であるSVとの間で起こる問題でしょう

特に発信業務をともなう営業関連のコールセンターの場合、内部は数人ずつのユニットに分かれています。

そのユニット内の営業成績を管理し、スタッフの士気を高め、業務効率を改善していくのが直属の上司であるSVです。

コールセンターのSVは、特にSV本人がさらに上の役職から高めのノルマを設定され、厳しく指導されている傾向にあります。

そのため、SV自身のストレスも半端なものではありません。

今月の営業成績を落とさないよう、さらにはインセンティブの獲得を目指して他のユニットよりも少しでも良い成績を残すことができるよう、高いプレッシャーに押しつぶされそうになっているのです。

このようなSVの背景があるため、SVはユニットを厳しく指導する必要があります。

成績が悪いスタッフに対しては、見せしめとしてユニットメンバーにわざと聞こえるように罵詈雑言を浴びせ、「自分も成績を残せなかったらあんな風に叱られる。怖いから頑張ろう。」という負のモチベーションを持たせてしまうのです。

さらにSVによっては「別室呼び出し」を使う人もいます。

コールセンター内にある別室に呼び出され、延々と「なぜ今月これしか契約を取れなかったのか」「来月はどうしたら契約をもっと取ってこられるか」について質問され、精神的に追い詰められていくのです。

どちらにしてもスタッフとしてはストレスの塊でしかなく、コールセンターの職場に向かうこと自体が辛くなります。

コールセンターの人間関係の中でも、このSVとの関係性は別格で大きな悩みになるでしょう。

特殊な同僚が常に隣に座っているストレスがすごい

コールセンターの仕事は、初日に配属されたユニットの中で、多くの場合は座席も指定されていて、勤務時間中のほとんどを自分の座席で過ごすことになります。

この時、近くに座る同僚に恵まれていれば、ストレスなく一日の勤務を終えられるかもしれません。

しかし、コールセンターの中には特殊な癖を持っている人もいます。実際にコールセンターで働いていた人の中には、隣のスタッフのこんな癖に耐えられずに辞めてしまったという人もいます。

  • 話し声がとにかく大きく、隣にいるだけで辛い
  • 貧乏ゆすりと机をトントン鳴らされる
  • 私のコールが終わるのを待って、毎回他のスタッフの悪口を聞かされる
  • 香水がキツすぎて隣にいるだけで目が痛くなる
  • 成績が悪いとあからさまに態度が悪くなり、八つ当たりされる

座席が固定されていることが仇となり、特殊な同僚を遠ざけるためには、辞めるしかない状況に追い込まれてしまうこともあるようです。

座席は自分で決められず、会社側に指定されるため、「隣席ガチャ」という言葉も存在するほどの運に左右される大事な要因でしょう。

発信業務の場合は周りからのプレッシャーがすごい

営業成績はユニット内で管理されているため、各メンバーの営業成績は周囲に共有されてしまう職場も多いようです。

ユニット全体の成績が悪いと、SVの機嫌と態度が悪くなっていくため、メンバーは一丸となってユニット内の成績を一定水準に保とうとします。

そんな状況の中で、自分1人だけが成績が悪く、ユニットの平均成績を下げる要因になると、ユニット内の人間関係が悪化していくのです。

「あの人さえ、あと3件取ってくれたら、SVの機嫌もよくなるのに」「私たちまで一緒に怒られるって、意味わからない!」など、ユニット内の雰囲気がギスギスしていってしまい、大きなストレスになるでしょう。

本来は仲間関係であるはずのユニットメンバーが、自分の成績次第で敵になる可能性があるという環境が、コールセンターで働く人にとっては大きなストレスとなるようです。

人間関係以外にもこんなにある!コールセンター勤務の悩み

コールセンターで働いていると、最も大きなストレスになるのは人間関係ですが、実はそれ以外にも悩みがあるという人がたくさんいます。

そこでここでは、人間関係以外でコールセンター勤務の人が抱えやすい悩みについて紹介します。

トイレに行きづらい

コールセンターで働いていると、初日でぶつかる悩みが「トイレいつ行ったらいいの?」「電話が鳴っているのに、トイレに行っていいの?」というものでしょう。

確かにずっと電話が鳴っていて、その中で電話を取らずに自分だけトイレにいくのも気が引けます。

しかも、SVが近くの席にいて、勤務態度を見守っているような職場の場合で、お腹の調子が悪いときが最悪です。

何度もトイレに立つたびに、SVに睨まれ、サボっているんじゃないかと疑われるのが非常にストレスになるといいます。

繁忙期は特にプレッシャーが強く、トイレに立つと同僚からも「あんたがいない分、こっちの仕事が増えて困る」という目で見られることもあり、どうしても我慢できない!というくらいまでトイレを我慢する人もいるようです。

クレームが辛すぎる

受信業務のコールセンターの場合で、一番の悩みになるのが、「クレーム対応」でしょう。

受信業務の場合は、発信業務の営業コールやテレアポと違って、ノルマなどのきつい悩みがなく、一見すると楽なように思われることがあります。

しかし、実際は受信業務にも辛い悩みがあるのです。受信業務をしていると、かなりの確率でクレーム対応に当たることになります。

お客様としては、商材への信頼・期待を裏切られて腹立たしい思いでいっぱいで、コールセンターにこのもどかしい負の感情をぶつけてやろうと思っている人もいるでしょう。

ただ、その電話を受けるコールセンターのスタッフとしては、1日に何件もMAXレベルの怒りをぶつけられることになります。

お客様の不満を作ったのは自分ではないにも関わらず、「大変申し訳ございません」「お客様のおっしゃる通りでございます」と平謝りしなければいけません。

この理不尽な感じと、単純に人の負の感情を受け止めるという作業が辛すぎて、「もう行きたくない」と悩むことになるのです。

退勤後も人に叱られたという経験が後を引き、プライベートの時間にも落ち込んでしまう人も多く、転職を考えるきっかけになることも多いでしょう。

臨機応変な対応ができなくてストレスに

受信業務のコールセンターだと、かかってくる電話に答えるだけの簡単な業務…と思われがちですが、実はその「答える」作業が案外大変だったりもします。

多くの受信業務の場合、分厚いマニュアルを渡され、初期の研修の際に丸暗記に近いほど頭に叩き込まれるでしょう。

最近はDXも進み、パソコンの中にマニュアルが入っていて、インカムで受信しながら、手元でパソコンを操作しながら受け答えしていくというパターンもあります。しかし、それでも悩みが生じるのが、「マニュアルにないパターンの問い合わせへの対応」です。

マニュアルを検索しまくるだけでも大変な労力と、お客様を待たせているというプレッシャーが辛いのですが、検索しても出てこないときがまたプレッシャーになります。

こういうときは、お客様にお待ちいただくか、SVなどの上役に電話を代わって対応してもらうという業務フローが多いでしょう。

問題は、SVには頼りにくい、という点です。

この記事でもすでに紹介したように、SVとの人間関係が良好であるパターンは少なく、無言ですが「面倒なことを増やすなよ」「自分で解決しろよ」という雰囲気がSVから発せられていることも多いでしょう。

そんな中、「自分では処理しきれないお問い合わせがあるので、代わっていただけないでしょうか」と問い合わせをSVに投げるのは、相当なストレスになるのです。

「これくらい臨機応変に対応しろ」とSVにあとで嫌味を言われることもありますが、その臨機応変な対応が難しい業務でもあるため、お客様とSVの間で板挟みになるという悩みもあります。

コールセンターで働くなら派遣がオススメ!人間関係の悩みも少ない

コールセンターで働くことは、確かにSVや同僚との人間関係が辛いこともあり、さらにクレームが辛かったり、そもそも座りっぱなしが逆に辛いなど、大変なこともたくさんあります。

しかし、営業のように直接顔を合わせるわけでもなく、身体的な負担は少ない仕事であることは事実なため、働きやすい条件が揃っているとも考えられます。

悩みが発生することを見越しても、コールセンターで働いてみたいという人にオススメなのが、会社直属のコールセンターではなく、派遣社員としてコールセンターに派遣してもらうという方法です。

非正規雇用になるため、給与や待遇面では直属コールセンターのスタッフに比べて低くなる可能性もありますが、人間関係で悩むのがイヤな人にはオススメです。

正規雇用のコールセンタースタッフと、派遣社員としてコールセンタースタッフの両方を経験した人の体験談として、次のようなものが挙げられます。

  • イヤだなと思っても契約が終わればサヨナラできると思うと我慢できる
  • 派遣ばかりの職場はみんなサバサバしていてイヤなしがらみがなくて楽
  • パワハラみたいなことをされたら派遣会社にすぐ言うと、SVに指導が入るからいい

このように、派遣ならではのメリットがたくさんあるため、本来悩むことが多い人間関係で悩まなくて済むという声が多いようです。

まとめ:コールセンターの人間関係は確かに大変!職場が定期的に変わる派遣社員の方が悩みが少ないことも

コールセンターの人間関係の悩みの大半は、SVとの上下関係です。

SVからのプレッシャー、度を超えた叱責の他にも、ユニットという単位の中での独特なストレスもあります。閉じられた空間だからこそ、すぐに環境を変えてストレスなく働きたいという人にオススメなのが、派遣として働くという方法です。

SVとの関係性も近すぎず、契約期間という我慢の期限が明確で、同僚と気が合わなくてもその場限りの付き合いとして割り切ることができるでしょう。

とはいえ派遣は非正規雇用ですから、安定して働きたいという人にはオススメできません。

社員として働き続けたいという人は、労働基準監督署の総合労働相談コーナーなどをうまく活用し、SVからの過剰な叱責などは届出ながら、上手にストレスを逃していきましょう。