何度も正社員として働いてみたものの、やっぱり自分には合わなくて短期間で辞めてしまったり、今現在も正社員が向いてないと思って悩んでいるという人も多いでしょう。
しかし、正社員は非正規雇用に比べて賃金面でも恵まれており、すぐに諦めてしまうのはもったいないかもしれません。
そこで今回は正社員が向いてないと思う理由や、諦める前に試してほしい5つのことを解説します。
正社員が向いてないと思う理由3選
自分が正社員に向いてないかも…と思う人は、まず「どうしてそう思うのか」を振り返ってみましょう。
正社員で働き続けることを諦める前に、正社員が向いてないと思う理由によっては、これまで見えてこなかった対処法が見つかる可能性があります。
ここでは、正社員が向いてないと思う人に多い3つの理由について解説します。
アルバイトよりも重くのしかかる責任感
まず、自分が正社員に向いてないと思うのは、「アルバイト時代と比べて向いてない」という考え方があるからかもしれません。
アルバイト時代は何かあっても責任を取るのは社員で、大きなトラブルがあってもアルバイトなら最悪辞めてしまえばいいかと思えることもあり、正社員に比べたらそこまで大きな責任を背負わずに働けたでしょう。
確かにアルバイトは定年まで続ける人は少なく、非正規雇用で雇用期間も定めがある場合も多いため、気軽に働けるという側面があります。
しかし、正社員は雇用に期限がなく、定年まで勤めることを前提に入社する人もいます。
そんな中で大きな失敗をしても、アルバイトのように気軽に辞めることができません。
アルバイトに比べて高い給料が支給されるものの、アルバイトが犯したミスを何とかカバーしたり、致命的なミスをしないように注意が必要です。
自分自身が大きなミスをしてしまって、同期よりも出世が遅れるのが怖いという人もいます。
責任感が強ければ強いほど、仕事は丁寧になって会社としては「ミスなく確かな結果を残してくれる評価すべき人材」とありがたい存在になりますが、本人からすれば「責任感が重すぎて、正社員、向いてないかも」と感じてしまうのでしょう。
拘束時間が長くて融通が利かない
正社員で働いてみると、アルバイトの時に比べて労働時間や拘束時間にも違いを感じる人も多いでしょう。
特に1日4時間程度の短時間アルバイトをしていた人が、1日8時間勤務のフルタイム正社員になった場合、労働時間が2倍になるため体がついていけずに「向いてないかも」と思うこともあります。
同じ正社員でも企業によって大きな違いがありますが、保守的な企業だとお昼休憩中もオフィスから出てはいけないというローカルルールがあったり、ブラック企業では電話対応が入る可能性があるから昼休憩中も必ずデスクで昼食をとって電話が空かないようにするという謎のルールがあり、融通の利かなさについていけず「向いてない」と思う人もいるようです。
もちろん上記のような社内ルールは就業規則に書いてあるものではなく、ただ単に社員を管理したいだけ、同じ給料で少しでも長く働いてもらいたいだけという企業体質的な部分もあります。
この場合はあなたが正社員に向いてないのではなくて、企業姿勢に問題があると言えるでしょう。
仕事内容が向いてなくて辛い
正社員の中でも総合職として入社すると、自分の希望とはまったく異なる部署に配置されることが多々あります。
自分はデスクワークが好きで、対人関係が苦手なのに、会社の中で営業職に空きが出て困るから営業に異動になるなど、理不尽だと感じる辞令が発生するのです。
このような場合、本人の適性と仕事内容がまったくマッチしていないため、「本当は何でもできなきゃいけないのに、正社員に向いてないのではないか」というネガティブな思考になってしまうでしょう。
本来の適性と仕事内容がマッチしていないだけであって、正社員に向いてないとは言えないケースも多々あります。
それでも、追い詰められている状況下では冷静な判断をするのが難しく、結果的に「やっぱり向いてない」「正社員として働くのを諦めるしかない」と思い込むようになってしまうのでしょう。
正社員向いてないかも?諦める前に試してほしい5つのこと
責任が重い、同じ場所に長時間拘束されてしまう、仕事内容が向いてないなどの理由で、自分が正社員に向いてないかもしれないと思った時、多くの人が「正社員辞めたい」「向いてないから正社員を諦めてアルバイトになろうかな」と思うでしょう。
しかし、正社員として働くことを諦める前に、やってみるべきことがあります。
そこでここでは、正社員を諦める前に試してみてほしい5つのことについて解説します。
出世しなくてもゆるく働くという生き方
賃金面でも福利厚生面でもアルバイトより優遇されることが多い正社員という働き方を諦めずに続けていくためには、「続けられるような働き方」を選ぶことが大切です。
もしあなたが出世しないと意味がないという強迫観念にとらわれている場合には、その強迫観念を取り払う必要があります。
そもそも出世したとしても全ての正社員が幸せになれるわけでも、報われるわけでもありません。
給与水準は確かに上がるかもしれませんが、それにともなってさらに大きな責任と重圧がのしかかるでしょう。
つまり、出世すればするほど、正社員で居続けることが苦しくなる可能性があるのです。
正社員になったからには、どんどん出世しなければならない、そのためにもほんの少しのミスも許されないと思い込んで、それが「正社員に向いてない」と思う理由になっている人は、出世という目標をもう一度見直してみましょう。
実は出世するよりも、平社員として働き続けて、自分のペースを大事に働くことで、「正社員も悪くない」「正社員を諦める必要はない」と思える可能性があります。
ミスをしても「次はしないように気をつけよう」と、今よりも軽く考えることができるかもしれません。
働き方が自由な職場に転職してみる
正社員の拘束時間が長い、自由がないという理由で「正社員に向いてない」と思っている人の場合は、転職して働き方を見直すという方法もあります。
新型コロナウイルスの影響で、今は完全リモートワークができる求人も増えており、完全ではなくとも出社するのは週2日のみなどの自由度の高い求人が出てきています。
リモートワークなら働く場所は自由であり、正社員が標準的に求められる拘束時間の8時間も実際より短く感じられる可能性があります。
またフレックス制の会社に転職すれば、勤務開始時間も毎日同じ時間ではなくなります。
コアタイムと呼ばれる「この時間帯だけは全員出勤していること」と決められた時間にさえ出勤していれば、それより前に出勤しても、夜出勤してもOKであり、働いていても「正社員なのに自由だな」と感じながら働けるでしょう。
部署異動を申し出てみる
正社員が自分に合わないなと思ったからと言って、正社員という働き方自体を諦めるのはまだ早いかもしれません。
さらに、先ほど解説したように、働き方が自由な職場に転職しなくても、同じ会社内で自分の適性に合った他部署に転職するという方法もあります。
たとえば、不動産の営業職で厳しいノルマを課せられている人は、もしかしたらノルマというプレッシャーに加え、営業という職種があなたに合っていないだけかもしれません。
同じ正社員で、不動産という業種でも、実は営業事務や総務などの職種なら、ノルマもなく今よりもストレスなく働ける可能性があります。
今の会社や正社員という雇用形態に不満はなく、仕事内容に対して「向いてない」と感じている人の場合は、このように同じ社内で部署異動をすることで悩みが解決できるでしょう。
ただ、転職せずに部署異動で解決しようとする場合、希望の部署に異動させてもらえるかどうかわからないというデメリットもあります。
例えば営業の人出が不足していて異動が認められなかったり、異動の希望先の人員が充足していて異動が認められなかったりと、社内異動でもさまざまな要因で希望通りには物事が進まないこともあるでしょう。
従業員の部署異動は会社の裁量に委ねられているため、会社のOKが出るまで根気強く待つ必要があります。
希望の辞令を待てないほど現状に不安・不満を抱えている場合には、転職するという選択肢の方が結果的には近道かもしれません。
一時的に時短正社員になってみる
拘束時間が長いことから正社員が向いてないのではないか、と考えている人の場合は、労働時間を見直してみましょう。
確かにその人本来の特徴として、同じことを続けるのが得意な人と、すぐに飽きてしまって他のことをしたり考えたりせざるを得ない人がいます。
8時間労働が厳しいから正社員が向いてない、諦めようと考える前に、一度時短正社員枠で働けないか会社側に交渉してみることをおすすめします。
時短正社員は、短時間正社員とも呼ばれており、正社員は1日8時間、週5日出勤するフルタイムが一般的であるところ、会社が認める範囲内で1日5時間などの比較的短時間の勤務でも正社員として雇用されます。
今は主に育児や介護など、家庭の止むを得ない事情を抱える社員が特例的に認められる企業が多いものの、働き方の自由が認められつつあるため、今後は時短正社員という働き方も拡大していくでしょう。
本当にやりたいことを仕事にしてみる
あなたが正社員は向いてないかもしれないと思っていることの理由が何であっても、向いてないのは「正社員」という雇用形態ではなく、「働く場所」「仕事内容」かもしれない、と疑ってみましょう。
正社員というのは、ただの働き方の1つのスタイルであって、雇用形態の一部に過ぎません。
正社員に向いてないと思った人は、転職して働く場所や仕事内容自体を変えてみることで、同じ正社員という雇用形態でも、「向いてる!」と思えるかもしれないのです。
この時、どうせ転職するなら、自分が本当にやってみたかったことを仕事にしてみると良いでしょう。
例えば、どうしても給料を高くしたくて、インセンティブがつく営業職を自分の向き不向きに関係なく選んだ人の場合、結局給料は高くなっても毎日辛い思いをすることになり、「正社員向いてないかも」と思う事態を招いているのかもしれません。
今の仕事が本当にやりたいことではない場合、一度自分の本質を振り返ってみて、「本当は何をしている時が楽しいのか」「あっという間に時間が過ぎると思う時、自分は何をしているのか」考えてみましょう。
実は計算が得意で数字に強いのに、営業職で苦手なトークを頑張っている人の場合、経理などの仕事に転職することで、「自分に向いている仕事って、これだったんだ」と新たな発見があるかもしれません。
まとめ:正社員が向いてないのではなく、職場や仕事内容が向いてないのかも!我慢するより転職した方が早い可能性大
正社員が向いてないと思っている人の大半は、正社員という雇用形態ではなく、働き方・職場・仕事内容があなたに向いてないだけという可能性が高いでしょう。
労働時間で悩んでいるなら短時間正社員へ雇用形態を変更してもらったり、仕事がつまらないと感じているなら本当に自分がやりたかったことを仕事にしてみたり、責任感が耐えられない場合はライン業務のように比較的重圧を感じにくい仕事に転職するということをぜひ試してみてください。
正社員という働き方自体は、非正規雇用に比べて賃金面でも優れていて、物件を借りる時などに社会的信用度が高く、手放すのはもったいないものです。
自分がどんな理由で正社員に向いてないと感じているのか自己分析してみて、転職を中心に実際に行動に移してみましょう。