インターンシップの参加率は年々上昇し、就活性にとっては避けて通れないものになりつつあります。
しかし、インターンシップがどういったものかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
そこで、その意味から企業の選び方まで、インターンシップのすべてについて解説をしていきます。
最初に知っておきたい!インターシップの意味とその目的
インターンシップとは大学生などが特定の企業の一員として労働に従事し、就職する前に社員の仕事を体験してみることです。
そうすることで、仕事や企業、業界などについての理解を深め、就職してから理想と現実のギャップに悩むといった問題を解消することができます。
同時に、学生にとっては就職希望の企業や業種のインターンシップに参加することで仕事研究、企業研究、業界研究などを行い、就職活動の準備ができるというのも大きな利点です。
一方、企業側には若い学生を受け入れることで職場の活性化を図れる、学生を指導することで若手社員のマネジメント力やリーダーシップを養えるといったメリットもあります。
しかし、そうした面は次第に形骸化し、企業にとっては優秀な学生を早期に囲い込む場になってきているのが現実です。
そのため、インターンシップといっても実践的な仕事はほとんど行わず、会社の説明会や学生の喜びそうなレクレーションに終始するといった例も多いようです。
逆に、ひたすら単純作業をさせるだけという企業も存在し、仕事を体験させるという名目で人件費の安い労働力として使っているのではないのかという指摘がされています。
だからこそ、参加する側としては事前にその内容をしっかり見極めることが重要なのです。
大きく分けて3タイプ!インターンシップの種類とそれぞれの特徴
インターンシップは大きく分けて1day、短期型、長期型の3つがあります。
まず、1dayというのは文字通り、1日だけのインターンシップであり、実際に働くというよりは会社の概要を知ってもらうためのものです。
具体的には現場で仕事の内容について説明を受けたり、働いている社員を紹介してくれたりします。企業説明会をより掘り下げたものだといえるでしょう。
一方、短期インターンシップは数日から1週間程度のスケジュールで行われます。典型的なプログラムとしては数人でチームを組み、課題に挑戦するというものがあります。
それによって、仕事に対する取り組み方やコミュニケーション能力、発想力、基本的なスキルなどといった項目が評価されるわけです。
もちろん、企業の説明会や職場見学などもあり、その内容は1dayと比べてより濃いものになります。最後の長期型は数週間~数ヵ月に渡って行われます。
中には1年以上に及ぶ場合もあるほどで、企業の一員として実際の業務に従事するのが特徴です。
一般的に、優秀な人材をピンポイントで確保したいベンチャー企業や中小企業は長期インターンシップを積極的に行う傾向があります。
一番多いのは夏休み!インターンシップの開催時期
インターンシップに参加する際に重要なのがその時期です。
参加しようと思っても実施している企業が少なければ、選択肢が限られてしまいます。一般的に、インターンシップは学生が長期休暇に入るのに合わせて行う傾向があります。
したがって、最も多いのが夏休みと重なる7月と8月です。続いて、夏休みに入る前の6月、大学によっては夏休みが続いている9月、春休みの3月なども多い傾向にあります。
もっとも、他の時期もインターンシップを全くやっていないというわけではないので、もし、夏休みや春休みの時期を逃してもインターンシップへの参加自体は可能です。
ただ、時期によってインターンシップのプログラム内容が異なるという企業も多いため、その辺りは事前に確認をしておいた方がよいでしょう。
次に、大学何回生の時にインターンシップに参加すればよいのかという問題があります。大学院に進むのなら話は別ですが、卒業と同時に働く予定なら4回生では遅すぎます。
その時期にはインターンシップよりも、その次の段階である就職活動に取り組まなければならないからです。
実際、大学生の大半は3回生の間にインターンシップを経験しています。その中でも、圧倒的に多いのはやはり夏休みです。一方で、1回生や2回生の間にインターンシップを経験している人も少数ながら存在します。
有給か?無給か?気になるインターンシップ給料事情
インターンシップは職業体験の場とはいえ、場合によっては何カ月も拘束されて社員と同じような仕事を行う場合もあります。そこで、気になるのが給料がでるのかどうかです。
結論からいうと、これはケースバイケースです。まず、数日程度の短期インターンシップは大半が無給です。短期の場合はプログラムの大半が社内見学やディスカッションが中心となっており、実質的な仕事をほとんどしないので当然だといえるでしょう。
ただ、他の企業と差別化するために、給料を支給する企業も増えてきました。
一方で、長期インターンシップは大企業かベンチャー企業かによって傾向がことなります。大企業の場合は基本的に無給です。『昼食代+交通費』というのが基本的な形になります。
インターンシップの学生はあくまでもお客様であり、戦力としては考えられていないからです。
それに対して、ベンチャー企業のインターンシップでは学生も戦力として数えられるため、有給が主流になりつつあります。
ちなみに、給料算出方法は多くの企業が、仕事の成果によって額の異なるインセンティブ制を採用しています。
たとえば、『時給○○円+出来高』といった具合です。学生なので基本給は安いのですが、成果を上げればその評価はしっかりとしてもらえるわけです。
基本はネットでの情報収集!インターンシップ情報の探し方
インターンシップに応募するにはまず募集している企業を探す必要があります。
問題は探し方ですが、最も手軽な方法はインターンシップ専用の情報サイトをチェックすることです。業種ごとに検索ができ、ネットを使ってその場で簡単に応募ができます。
ちなみに、ネットの情報サイトに掲載されている企業はベンチャー企業や中小企業が多い傾向があります。知名度の低さを補うためにこうしたサイトの利用にも積極的だというわけです。
また、インターンシップのサイトだけでなく、就活サイトも応募の窓口になっているケースもあります。
さらに、気になる企業があるときはその会社のホームページをチェックしてみましょう。インターンシップ開始日や申し込み方法などが掲載されている可能性があります。
より詳しい情報が知りたい場合は企業説明会に参加してみるのも一つの手です。質疑応答の際に質問をすれば多くの疑問は解消するはずです。
一方で、インターンシップの募集を公にしていない会社も存在します。そういったケースではOBやOG、あるいはゼミの教授などを通じて情報を得られる場合があります。
その確率を高くするためにも、日頃から人脈を広げる努力をしていくことが大切です。
選択肢が多すぎる!迷った場合のインターンシップの選び方
インターンシップは多くの企業が実施しているため、どれに参加すればよいか迷うかもしれません。その場合は3つの基準を中心に考えればよいでしょう。
1つめは興味のある企業のインターンシップを選ぶという方法です。
ただ、その企業がインターンシップを実施していない場合もあります。そういったときは同じ業界の別企業のインターンシップに参加するのがよいでしょう。
会社が異なっていても業種が同じであれば得られるものは多いはずです。
2つめは長期インターンシップと短期インターンシップのどちらに参加するかです。
もし、就職を目指す企業が具体的に決まっているのなら、その企業の長期インターンシップに参加するのもよいでしょう。
しかし、まだ決めかねているのなら、志望企業を絞る材料とするために、複数の短期インターンシップに参加するのも一つの手です。
そして、最後はプログラムの内容で選ぶ方法です。インターンシップを通じて何か特定のスキルを身につけたいという人はこの基準が最優先になります。
たとえば、営業職のスキルを身につけたいのであれば営業同行のあるインターンシップを、開発職のスキルを身につけたいなら企画から開発までの工程が体験できるプログラムのあるインターンシップを選ぶといった具合です。
以上のように、何のためにインターンシップに参加するのかを明確にし、その目的に合致したものを選択することが大切です。
選考方法は書類や面接がメイン!インターンシップに選ばれるための5大ポイント
インターンシップは応募したからといって、必ずしも参加できるわけではありません。
応募者の数が多い場合は選考で落とされることも少なくないのです。ちなみに、選考方法はさまざまです。先着順や抽選で決めることもありますし、適性試験を行う場合もあります。
ただ、最も多いのは履歴書やエントリーシートによる書類選考、あるいは面接です。したがって、希望のインターンシップに参加するためには書類対策や面接対策が重要になってきます。その際、気をつけるポイントは主に5つです。
第1に、企業研究や業界研究をしっかり行うことです。
それらについて詳しく調べている事実を示せば、熱意が伝わって合格できる確率は高くなります。
第2に志望動機の掘り下げも重要です。ありきたりな動機では「他の企業でもよいのでは?」と思われてしまいます。
「他ではなく、この企業のインターンシップが受けたい」という想いが伝わるように、より具体的な動機を考えましょう。
第3は質問対策です。これは選考方法が面接だった場合ですが、面接官の質問に対して口ごもってしまうようでは合格する確率は低くなってしまいます。そうならないためにも、どのような質問が出るかをあらかじめ予測し、その答えを用意しておきましょう。
第4は身だしなみやマナーです。たとえ、インターンシップであっても第一印象は大切です。
選考が面接である場合は化粧が派手すぎないか、ヒゲの剃り残しはないかなどといった事柄は当然気をつけなければなりません。また、入退室の基本マナーは本などを読んで完璧にマスターしておきましょう。
そして、最後は有名企業ばかり応募しないことです。有名企業に憧れる気持ちは分かりますが、それは他の人も同じです。当然、競争率はものすごい数字となり、合格するのは至難の業です。
結局、インターンシップを一つも受けられなかったということになりかねません。それを防ぐには、有名企業と類似の事業を行っている他の企業にも応募をしておくなどといった対策が必要になります。
以上が選考をクリアするためにやっておきたい重要ポイントです。
インターンシップでここまでしなければならないのかと思うかもしれませんが、こうした対策は就職活動の際にもそのまま役に立つはずです。
内容をしっかり把握して自分の目的に合致したインターンシップを選ぼう!
インターンシップは就職活動の準備をするために欠かせないものとなりつつあります。
しかし、その制度を十分に生かすにはそれぞれの企業が実施しているインターンシップの内容を把握し、自分の目的に合致したものを選ばなくてはなりません。
たとえば、長期と短期のどちらに参加するのか、あるいは、就職を希望する企業とプログラムに興味のある企業ではどちらを優先するのかといった具合です。
また、人気企業の多くは選考によってインターンシップの参加者を決めています。
したがって、希望するインターンシップに参加するためには、企業研究や志望動機の掘り下げなど、選考対策をしっかり行っておくことが大切です。
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