内定承諾とは何?内定承諾の基本!

就職活動は長く、大変苦労の多いことですが、企業から内定をもらえると安心して羽を伸ばしたくなります。

ただ、実際に企業に就職するまでには、まだ企業とのやり取りが残っているので、気を引き締めなければなりません。ここでは企業からの「内定承諾」について見てみましょう。

内定承諾とは何?内定承諾書は何のための書類?

内定承諾とは何?内定承諾書は何のための書類?

企業から採用通知をもらうと、「内定承諾書」の提出を求められます。内定承諾とは、企業が就職に応募した学生に対して正式に内定を決定したことを証明するとともに、学生が内定をもらった企業への入社を承諾したことを確認することです。

それを書面にしたものが内定承諾書であり、一般的に「入社することを承諾する」「正当な理由なく入社を拒否しない」などと書かれていることが多いです。内定承諾書というのは正式名称ではなく、企業によっては「入社承諾書」「内定誓約書」などと呼ぶこともあります。

内定承諾書は企業にとっては、学生が必ず入社してくれるよう確約を取るためのものです。企業は一人の学生を採用するまでに多額の費用や手間、時間を投じていますので、どうしても入社してほしいと考えています。

しかし民法では、労働契約は入社したときから2週間以内は解約できると定められているので、内定承諾書を提出したからと言って、必ずその企業に就職しなければならないわけではなく、罰則もありません。

もしほかの会社に就職する等の理由で内定を断る場合には企業に多大な迷惑をかけることになるので、内定承諾書は慎重に考えて提出しましょう。

内定承諾書の正しい送付の仕方

内定承諾書の正しい送付の仕方

通常、企業からの内定通知書とともに、内定承諾書が同封されて自宅に送られてくるので、学生は内定承諾書に署名・捺印して返送します。

必ず返送期日を守って、期日内に相手に届くよう余裕をもって送ることが大切です。万が一、郵便事故などで紛失される恐れもありますので、できれば書留および速達で送付したほうがよいでしょう。

自分で内定の受理を決断しているときは、返送期日を待つのではなく早めに返送すると、企業はその後の処置を早くとることができるので、企業に好印象を与えることができます。

通常、送られてきた書類には、返信用の封筒が同封されています。返信用の封筒には企業の住所や企業名、担当者名が記載されています。送付する際、企業名の後に必ず「御中」と書き添え、担当者の氏名のところが「氏名+行」となっていたら、「行」を二重線で消して「様」と書き直しましょう。

封筒の左下には「内定承諾書在中」と記入すると、受け取った企業側は何の書類か一目でわかるため、企業の手間を省くとともに、担当者に早く書類を届けることができます。封筒の裏面には自分の住所や大学名、氏名等を書き忘れないように注意しましょう。

もし返信用封筒が同封されていない場合は市販の封筒を使いますが、内定承諾書を折るのは失礼にあたるので、書類を折らずに入れられるA4サイズの紙が入る白い封筒を使いましょう。

茶色い封筒を使う人がいますが、正式な文書は白い封筒を使ったほうがよいとされています。また書類が破損しないよう、クリアファイルに入れたほうがよいでしょう。そして切手を貼るときは、必ず郵便局で切手の代金を調べてもらい、金額が不足しないようにすることが大切です。

添え状を添付するのがマナー


内定承諾書を送る際には、必ず「添え状」をつけましょう。添え状は、誰から誰あての書類で、用件は何かが一目でわかるように記載したものです。それがビジネスマナーであり、入社後は文書の送付の際は必ず添え状をつけることになっています。

また添え状を書かない学生が多いなか、添え状が添付されていると、相手企業からの印象がよくなります。添え状は手書きではなく、なるべくパソコンで作成しましょう。添え状はまず右上に年月日、左上に相手の企業名、部署名、担当者名を記入し、一段下がった右側に自分の所属大学名および学部・学科名、氏名、電話番号、メールアドレスなどを記入します。

つぎに紙の真ん中に大き目の太文字で「内定承諾書ご送付の件」と件名を入れます。そして、「拝啓」から始まる文章を書きます。時候等の挨拶、内定をもらったことのお礼、内定承諾書を送ること、入社してからの抱負などをごく簡潔に書き、最後に右端に「敬具」と入れます。

添え状は「何を送ります」というのを伝えるための書類なので、長い文章を書くのは避けましょう。さらに、真ん中に大き目の文字で「記」と入れ、何を送るのかを書きます。この場合は「内定承諾書1通」と書くのがよいでしょう。

内定を辞退するときに気をつけるポイントは?

内定を辞退するときに気をつけるポイントは?

ある企業に内定承諾書を送った後で、第一志望の企業から内定が来た場合、どうすればよいのでしょうか。先ほども述べたほうに、内定承諾書を提出しても内定を辞退することはできます。

ただ、辞退された企業は多大な損害を被ることになるため、安易に辞退することのないよう、よく考えてから内定承諾書を送ったほうがよいでしょう。内定を辞退するときは、迅速に行わなければなりません。

そしてメールだけで連絡をするのは大変な失礼になるとともに、早急に連絡ができない恐れがあるので、必ず担当者あてに電話をかけましょう。電話をかけるのは、担当者が忙しくない時間を選びましょう。午後は外出することが多いので、午前中の早めの時間にしましょう。

もし担当者がいない場合は、連絡がつく時間帯を聞き、改めて電話をかけ直します。もし担当者が出張などですぐに連絡がつかない場合は、内定辞退のことを担当者に伝えてもらうように電話に出た人に依頼し、電話に出た人の氏名を聞いておきましょう。

その際、あらかじめメモ用紙と筆記用具を用意し、相手の話を記録します。焦って電話をすると話の内容を忘れることが多いので、メモは大切です。その後、再度、担当者のいるときに連絡をし、本人に直接用件を伝えます。

内定辞退の電話は丁寧かつ簡潔に

内定辞退の電話は丁寧かつ簡潔に

担当者と連絡が取れたら、なるべく丁寧かつ簡潔に内定辞退のお詫び、辞退の理由を伝えます。辞退の理由としては「ほかの会社の内定を受けることにしました」などと言うのがよいでしょう。

電話で辞退を伝えるときは緊張して冷静でいられないことが多いので、あらかじめ話す内容を紙に書いて、音読して練習をしておくことが大切です。また電話をかけるのと同時に、記録を残すために、同じ内容のメールを送っておきましょう。その際は「メールでもご連絡しましたが」などと言い添えます。

内定を断るのは勇気のいる行為ですが、相手企業に迷惑をかけないため、またお詫びなどの電話をかけることは社会人としては当たり前のことなので、後回しにしないことが大切です。

内定を辞退されると、企業はまた採用をやり直さなければならず、経費や時間がかかりますから、軽い気持ちで内定辞退をするのは避けなければなりません。また、複数の会社に内定承諾書を送るようなことがあってはならないので、注意が必要です。

もう少しで第一志望の企業から内定の連絡が来るかもしれないという場合は、内定の保留を行うこともあります。その場合も辞退のときと同じような手順で担当者に直接連絡しましょう。保留するのは、内定の連絡が来てから1週間までが限度です。

もし企業側に「何日以内に決めてほしい」などと言われたときは、それに従いましょう。保留するときも言葉遣いに気をつけなければなりません。「第一志望の企業の結果がもう少しで出るので、それまで待ってほしい」などと言うのは直接的すぎるので、相手に失礼になります。

内定を辞退するときも保留するときも、どのような言葉で伝えれば相手に失礼にならないか、どうすれば自分の誠意が伝わるかをよく考え、最善の応対ができるように努力しましょう。

自分の納得のいく就職活動をしよう

人を雇用することは企業にとって大きな問題であり、企業の利益や損害につながっています。学生側が就職活動で苦労しているように、企業側も一人の学生を入社させるまでに多大な労力がかかっているため、企業側の事情をよく考えて行動することが大切です。

内定が出るまでが就活ではなく、入社するまでが就活です。企業に相応しい人材となるためにも、マナーを守ることが大切です。また、就活に後悔しないためにも自分でしっかり考え、納得した形で内定承諾を受けましょう。

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