食品工場で働いているものの過酷な労働環境や決して高いとは言えない給料などの理由で辞めたいと考えている人も多いでしょう。

そこで今回は食品工場を辞めたいと思っている人が、転職する前に知っておいたほうがいいことを4つ厳選して紹介します。

食品工場は3K!?実際に辞めていく人も多いのも納得

食品工場勤の仕事は求人サイトを見てみるとかなりの量が継続して掲載されています。

この前募集が終了していたはずの求人が再度掲載されているのをみると「辞めたいと思って実際に辞めた人がいる」ことも想像するに易しいでしょう。

そこでここでは、食品工場にまつわる辞めたくなる理由とその背景について紹介します。

食品工場はきつい・汚い・危険の3Kって本当?

3Kといえば「きつい、汚い、危険」を指し、主に介護系・工事現場系・清掃系などの仕事でよく「いかに職場が辛いか」を指すために用いられる言葉です。

食品工場がこの3Kに含まれることはあまりありませんが、最近では食品工場も実は3Kなのではないかという声がSNSを中心に上がっています。

確かに食品工場は立ちっぱなしで長時間集中することが必要となるため、「きつい」は該当するでしょう。しかし衛星管理が厳しい食品工場の場合は「汚い」はあまり当てはまらないかもしれません。

また「危険」については「工場による」のが妥当ではないでしょうか。確かに食品工場によっては空調管理がなされておらず、工場内が夏暑く冬寒いという環境にあります。

また、ある人はベルトコンベアーの動きをずっと見ていたら気持ちが悪くなってしまい、体調を崩したと言います。機械内に手を挟んでしまい、勤務中に病院行きになった人もいるようですから、「危険」については該当する人もいるでしょう。

3Kのうち「きつい」「危険」は部分的に事実であり、これを理由に食品工場を辞めたいと思う人も多いでしょう。

正社員からの圧がすごい!メンタルが強くないと続かない

食品工場勤務で、非正規雇用枠で働くアルバイトや派遣社員ほど、より食品工場での辛さを体感しているのではないでしょうか。

工場にもよりますが、食品工場は労働環境として非常に閉鎖的で、働き方や指導などが外部から見えにくい部分があります。

これによって起こるのが「正社員からのパワハラまがいの指導」です。特に食品工場で勤務した経験のない人が初日に工場に入ると衝撃を受けるかもしれません。

正社員は快適な環境で機械の操作や事務作業を行い、監視の目的で作業中のアルバイトを見にくるのですが、この時少しでもミスをすると、大勢のスタッフの前で叱責されます。

「こんなこともできないの!?」
「さっさと手を動かして!遅い遅い!」

など、メンタルが弱い人にとってはその場にいること自体がストレスになるような厳しい言葉が飛び交うのです。

自分が叱られるのは一番精神的にこたえますが、ほかのスタッフが叱られているのを見続けるのもまた、精神的な負担になる人も多いでしょう。

自分よりも快適な環境にいて、楽に見える作業をしている正社員に対してよく思えない人も多く、さらにそんな正社員からのこのような言動に耐えられず、「辞めたい!」と思う人が多いようです。

食品工場を辞めるのは大体アルバイトか派遣社員

食品工場を辞めたいと強く思うのは、正社員ではなく、非正規雇用のアルバイトか派遣社員であることが多いようです。

同じ食品工場に勤務しているにも関わらず、正社員かそうではないかで、その業務内容が大きく異なり、正社員以外の非正規雇用枠の仕事が、先ほど紹介した「3K」に該当するのが原因だと考えられます。

正社員が夏場に涼しい事務室で機械のメンテナンス業務やデスクワークの事務仕事をこなす一方、アルバイトや派遣社員は汗だくになりながら立ちっぱなしで同一作業を繰り返します。

正社員は給料が低いものの、賞与が支給されたり、比較的楽な作業を引き受けるため、アルバイトや派遣社員側としては「やってられない」気持ちになるのも当然でしょう。

だからこそ、食品工場では「あのバイトの人、もういなくなってる」が日常茶飯事です。

1ヶ月前に入ったばかりのアルバイトがすぐに辞めてしまい、人の入れ替わりが激しいのは、多くの非正規雇用枠で働いているアルバイト・派遣社員が「辞めたい!」と強く思うからと言えるでしょう。

食品工場もう辞めたい!転職する前に気をつけたい4つのこと

ここまで紹介してきたように、食品工場の中でもアルバイトと派遣社員に関しては特に「辞めたい」「転職したい」という気持ちが強くなるようです。

しかし、辞めたいと思ってから何も考えず逃げるように転職すると、あとでどこにも転職できず、大変な思いをする人が少なくありません。

そこでここでは、食品工場を辞めたいと思ったあなたへ、転職する前に気をつけたい4つのことについて解説します。

派遣元の「まだ辞めるのは早い」は鵜呑みにしない

あなたが食品工場に派遣社員として働いている場合、辞めたいと思っても自分の意思だけで勝手に辞めることができません。

派遣元の派遣会社にまずは辞めたいという意思表示をして、派遣会社に諸々調整してもらってからようやく辞める流れになります。

しかし、派遣元としては「一度期間を決めて契約している以上、簡単に辞めてもらっては困る」「この人が辞めたら、新しくすぐに入れる人材を調整しなければならない」など、派遣元にとって面倒なことがたくさんあるのです。

実際に派遣社員として働いていた人の体験談でも、すぐに辞めさせてもらえなかったというものがあります。

その方は、とあるお菓子の食品工場に派遣が決まったのですが、初日に工場内の異様な気温と、ベルトコンベアーを凝視し続けることで立ちくらみがしてしまったと言います。

めまいがしてクラクラしていると、社員から「ぼーっとしてないで!みんなちゃんとやってるでしょ!」と大勢の前で初日から叱責されてしまったそうです。

これは無理だと思ったその方は、派遣元に「あと2週間で辞めたいんですけど」と申し出ましたが、「まだ初日でしょ。辞めるのはまだ早い。これから慣れるから、もうちょっと続けてみて」と言われ、その後もなんども申し出たものの「まだ2週間でしょ」「まだ1ヶ月でしょ」と繰り返されて、結局契約満期まで辞められなかったそうです。

このように派遣元のアドバイスを聞きすぎると、転職しようにもできない環境に追い込まれ、結局ストレスを抱えたまま食品工場で働き続けることになるかもしれません。

そうならないためにも、派遣元のアドバイスはそれなりに聞いておいて、本当に辞めたいときは「相談」ではなく「辞めます」という言い方で強い姿勢を貫く必要があるでしょう。

アルバイトなら比較的簡単に辞めさせてもらえる

派遣社員は、派遣元との関係性があるため簡単に辞めることは比較的難しいのですが、食品工場と直接の雇用関係にあるアルバイトやパートの場合、割とあっさり辞めさせてもらうことができます。

特に労働環境が整っていない食品工場の場合、「どうせすぐに辞める」ということを企業側が自覚しており、絶え間なく求人広告を出しているケースが多いのです。

街中で無料配布している求人雑誌を見ると「いつ見ても同じ食品工場が募集を出している」と感じたときは、すぐに辞める人が多く、人員確保に備えて常に募集していると考えてよいでしょう。

しかし、このような事情があるからこそ、アルバイトという雇用形態であれば、強く慰留されることはあまりありません。

中には途中で連絡もなく来なくなってしまう人もいるため、企業側としては事前に告知してくれるだけラッキーだと考えることもあります。

辞めたいと思ったら、できるだけ2週間前までに直属の上司にあたる社員に報告し、退職願を提出するように気をつけましょう。

口頭での報告だけだと、正社員側が忘れたふりをして退職希望日の後までシフトを入れてくる可能性があるからです。

きちんと形に残るように退職願を提出しておきましょう。

アルバイトを掛け持ちしてこっそりスキルを身につける

食品工場で働いていると、「これ次の仕事に役立つかな」と疑問に思うことが多々あるでしょう。

まるで機械の一部のように、同じ作業を繰り返すことになるため、多少作業スピードが上がることはあっても、食品工場の外で通用するようなスキルが身に付くことはありません。

他の職場で通用するスキルが身につかないということは、転職時に非常に不利になります。

応募書類や転職面接では、必ずと言っていいほど「前職でのスキルを弊社でどのように活かせるとお考えですか?」と質問されます。

この時、食品工場で身につけた「決められた作業をスピーディにこなすことができる」というスキルを「とても欲しい」と思う企業はほぼありません。

同じ食品工場で競合他社に応募するならまだしも、食品工場がイヤになって異業種転職するという人には、何の役にも立たないことがほとんどなのです。

だからこそ、転職したいと思ったら、食品工場のシフトを減らし、他のアルバイトを入れるようにしましょう。

できれば何かしらの特殊スキルを求められるものが望ましいでしょう。

例えば営業事務の補助のバイトであれば、パソコン操作を覚えることができ、営業事務の仕事を近くで見ることで、仕事のフローや必要なスキルを盗むことが可能です。

食品工場とは異なる業種・職種のアルバイトを掛け持ちしてこっそりスキルアップを図り、企業側にアピールできるスキルが身についてから転職活動を始めるとよいでしょう。

まとめ:食品工場は肉体的にも精神的にも辞めたい理由がいっぱい!時期を見極めてダブルワークで身につけたスキルを武器に転職しよう

食品工場は「3K」にカウントされるほど、きつい仕事だと感じる人は多いようです。

立ちっぱなしで肉体的に辛いのに、社員からパワハラまがいの指導を受けることで精神的にも辛いと感じるため、「辞めたい!」と考えている人も多いでしょう。

派遣社員の人は慰留されて転職の機会を奪われないように、まず派遣元に「何月何日で契約更新せずに辞めます」「何月何日で契約途中ですが辞めたいです」と報告し、きっぱり辞めるという意思を伝えることをおすすめします。

アルバイトの場合は食品工場のでのシフトを減らしてもらい、異業種・異職種のもう1つのアルバイトを始めてみましょう。

もう1つのバイト先で食品工場では身につかない、「転職に活きるスキル」を身につけることで、転職市場で求められる人材になれるよう勉強することができます。

スキルを獲得してから転職活動を始めることで、食品工場からの異業種・正社員転職が可能になるでしょう。