就活試験の作文対策はこれでOK!10の基本ルールと書き方のポイント

就職活動では作文が課されるケースも珍しくありません。格式ばった小論文とは異なり、作文では自分が体験したエピソードや表現力、言葉遣いなどが重要視される傾向にあります。

今回は対策が後手に回ってしまいがちな就職活動における作文について、10個の基本的なルールを書き方のポイントと併せて見てみましょう。

ルール1「文字制限を確認する」、ルール2「丁寧な字で書く」

就職活動で課される作文には文字数が制限されているケースが殆どです。

自分が伝えたい事や表現したい事を、如何にして限られた文字数の中に収めるかがキーポイントになります。基本的に文字数制限をオーバーすると採用担当官にマイナスイメージを与えてしまう可能性が高いので注意しましょう。

一般的には文字数制限をオーバーしてしまうよりも、多少文字数が少なくても制限以内の文字数に収める方が好ましいとされています。目安としては、課せられた文字数制限の9割程度の文章量に収めると良いでしょう。

逆に言えば、最低でも文字数制限の9割程度は用紙を埋める事が望ましいのです。書きたい内容や言葉を吟味して、効率的にまとめられるように練習しておきましょう。

作文に限った事ではありませんが、字は人の心を写すとも言われています。就職活動における作文課題において、提出された作文は応募者に関わる情報を汲み取る貴重なソースです。採用担当官は作文の内容だけではなく、どのような文字を書く人なのかも観察していると思いましょう。

採用試験で作文を書く事の出来る時間は限られており、頭の中で内容をまとめる時間も考慮しておかなければなりません。応募者はその限られた時間の中で、出来る限り丁寧な字を書く事が要求されます。

普段から丁寧に文字を書く事を意識している人ならまだしも、自分の文字をあまり気に留めていなかった人が、急に綺麗な文字を書こうとしてもすぐに上手く書けるとは限りません。上手く文字を書こうとするあまり作文を書く時間や、内容を考える時間を圧迫してしまう可能性もあります。

自分の文字に自信が無い場合には「綺麗に書こう」というよりも「ゆっくり丁寧に書こう」と考えて筆を進めると効果的です。文字を綺麗に書く技術は反復練習が重要であり、一朝一夕で書けるものではありません。しかしなるべくゆっくりと文字を書く事で、線の歪みや全体のバランスなどが大きく崩れる事を防げるのです。

文字数と時間を決めて、なるべくゆっくり文字を書きながら作文を仕上げる練習をしてみましょう。

ルール3「一文を長く書き過ぎない」

採用担当官が読みやすい文章を書き上げる為には、一文一文の長さを適度に留める事が重要です。文章力があり内容を良く練り上げる時間があれば、一文が長くなっても自分の伝えたい事を書けるかも知れません。

しかし時間が限られた採用試験においてはそれ程の余裕はなく、与えられるテーマも当日現地で知らされるというのが一般的です。採用試験の作文では一文をある程度短く区切って、内容を分かりやすく書く方が無難と言えるでしょう。

一文の長さは70文字前後を目安に区切ると読みやすくなります。一文の前後半を読点で区切って不自然にならないくらいの長さが70文字程度です。読点の前後で文章の内容に矛盾が生じていないかチェックしておく事も、読みやすい文章を書き上げる為のポイントとなります。

逆に一文の中で内容が分かりにくくなっている箇所があれば、読点で区切れるポイントがないか探してみるのも効果的です。読点で区切って不自然な言い回しが残るようであれば、内容を変えずに言葉を変えて書き直しましょう。

本番前に作文を書く練習が出来るのであれば、書いたものを一度音読してみるのもオススメです。声に出して読んでいて疲れたり違和感を感じる事がなければ、採用担当官に黙読される場合でも問題ありません。本番中には書き終わってから読み直すよりも一文ずつ、あるいニ、三文書いたところで一度文章の長さを確認すると効率的です。

ルール4「タイトルと作文の内容を一致させる」

説得力のある作文を書き上げる為のポイントは、タイトルと作文の内容をしっかりと一致させるという事です。就職活動で課される作文ではおおまかなテーマが与えられ、タイトルは自分で考えるというケースが基本になります。

もしくはテーマも自分で設定するようなまったくの自由作文という場合もあるでしょう。いずれにせよ、作文の内容を決定付ける要素の半分はタイトルであると言っても過言ではありません。

読み手である採用担当官は、まず作文のタイトルから読み始めます。そのタイトルを念頭に置いて推測しながら読み進め、内容の理解をしたり書き手の意図を汲み取る作業を行うのです。途中でタイトルから大幅に逸脱した方向へ話が進んでしまうと、読み手を混乱させたり落胆させてしまう事になります。

作文の内容をタイトルから逸脱させない為には、書きながらこまめにタイトルを見返してみるのがオススメです。今書いている段落や一文の内容がタイトルと関係の無いものになっていないか、チェックしながら書き進めるクセを付けておきましょう。

また、文章を書き進めるにあたって抽象的な事から段々と具体的な内容に掘り下げて書いていくと、内容が脱線しにくく読み手もスムーズに作文の内容を汲み取る事が出来ます。まずは大きな視点から文章を書き始めて、徐々に細かい内容を詰めていくようにしましょう。

ルール5「文体を統一させておく」

作文を違和感なくまとめあげるには、作文内の文体を統一して書き上げるようにしましょう。

具体的には主に語尾の調子を揃える事がポイントになります。文末の表現がちぐはぐになってしまうと、作文内で誰が語りかけているのかが曖昧になってまとまりがなくなってしまいます。読み手を混乱させない為にも、文末の語尾表現には気を配って書き進めましょう。

就職活動で用いる事の多い文体は「です・ます調」「だ・である調」の2種類です。「だ・である調」は比較的格式ばったシャープな印象を読み手に与える為、論文やフォーマルな自己PR文に用いられます。

対して「です・ます調」の文章は柔らかい印象で、親しみやすい文面を構築可能です。採用試験で作文が課せられる場合には、基本的に「です・ます調」を用いて文章を書き上げると良いでしょう。

また、自然な文章を構築する上では「同様の文末表現を連続して使用する事は避ける」というポイントも重要です。例えば「~です。~です。~です。」といった具合に、全く同じ文末表現が繰り返されると機械的な印象となり違和感が出てしまいます。分の締めくくりは「~です・~でしょう・~でした」などと言い回しを工夫して、調子を統一した上で異なる表現を用いるようにしましょう。

ルール6「適宜段落を設ける」

一文一文の長さが適切に調整されていたとしても、段落分けが少ない文章は窮屈な印象になってしまいます。1つの段落内に内容を詰め込み過ぎると、作文で伝えたい事が見えにくくなってしまうのです。

作文全体のバランスを整える為の作業が段落分けであり、適度の段落を分けられていない作文は採用担当者に「読みやすさに対する配慮が足りない」「文章や考えの整理能力に欠ける」という印象を与えてしまうでしょう。

段落を分けるという事は書き手が内容を整理して書きやすくする目的もありますが、読み手に対する配慮でもあるのです。ある程度文章がまとまったところで改行して、1文字分空白を設けて新しく文章を書き出しましょう。

段落を分ける基準としては「ひとまとまりの内容」と「場面の切り替え」を意識しておくと分かりやすいです。例えば一般論を述べる段落と自分の考えを提示する段落を分けたり、過去の自分の経験を書く段落と現在やこれからの事を書く段落に分ける手法などが分かりやすい例として挙げられます。

段落分けをしながら書き進めていくと、段落によって文章量がまばらになって作文全体のバランスがうまく取れなくなってしまう事もあるでしょう。そんな場合は段落内に書く内容をあらかじめ箇条書きにしておき、どの内容をどの程度膨らませるかを考えて全体のボリュームを整えると書きやすくなります。

ルール7「文章の構成を大きく3つに分けて考える」

作文は考えをまとめる前に筆を走らせてしまうと、自分が書いた文章に踊らされてコントロール出来なくなってしまう事が多々あります。

書き始める前に与えられたテーマや設定したタイトルから、書きたい内容を整理して作文の全体像を大まかに把握する事が重要です。作文の構成は「序論・本論・結論」の3つに分けて考えると良いでしょう。

似た様な文章の構成に「起承転結」と呼ばれるものがありますが、これは主に物語を書く際に用いられる手法であり採用試験で課せられる作文には不向きと言えます。主張や考えを述べる事が求められる採用試験の作文では、序論・本論・結論の三部構成が文章をまとめやすい手法です。

序論ではまず、作文で伝えたい事の概要を大まかに書きましょう。本論・結論へと繋げる為の部分なので、伝えたい事を全て言い切ってしまうのではなくざっくりと書き記すのがポイントです。

また、序論は本文の中で読み手が一番初めに目を通す部分でもあります。魅力的な書き始めに出来るかどうかで、読み手を引き込めるか否かが決まると言っても良いでしょう。書き出しの一文は表現方法を工夫して、読み手の興味を惹き付けるものに仕上げる事が重要です。

続く本論は、序論で書いた内容について深く掘り下げて述べる部分になります。本論では具体的なエピソードや過去の経験、自分の意見などを盛り込んで作文を肉付けしていくイメージです。三部構成の中で一番情報量の多い部分になるので、テーマから逸れた話題を盛り込んで内容が不透明にならないように注意しましょう。

文字数制限との兼ね合いも考えて情報量を調整する事も大切です。本論で提示する自分の考えはハッキリと明示して、読み手がスッキリした気持ちで結論に進めるようにしておきましょう。

本論で書く内容が中々決められない場合は、先に結論を書いてしまうというのも1つの手段です。ゴール地点を定めてから逆算して肉付けしていくと論点がブレにくく、作文全体に統一感が生まれます。

最後の締めくくりである結論では、作文のテーマに対する自分なりの回答を書きましょう。序論・本論・結論の三部構成においては、文章の骨格を担うのは序論と結論であり本論は肉付けという位置づけになります。

結論は作文のまとめではなく、これまでのテーマや情報を元に自分が伝えたい事を明示する為の部分であるという認識を持ちましょう。また、序論の書き始め同様に結論の締めくくりも読み手の印象を大きく左右するポイントです。

読み手の読後感を意識して、書き終りの言葉にも一工夫凝らしてみましょう。

ルール8「5W1Hを明確にして書く」

文章を書く上で読み手に明確な視点を与えるには、英語の文法で言うところの5W1Hを意識して書くと良いでしょう。

5W1Hとは「who」「what」「where」「when」「why」「how」の6つを指します。

これらの要素は特に具体的なエピソードや説明文を書く際に、正確に事実を伝達する為のポイントになるのです。前述した作文の三部構成では、具体的なエピソードを盛り込む部分は本論になります。本論で適切に5W1Hを使いこなせれば、無駄に文章を増やす事なく作文の情報量をグッと底上げする事が出来るでしょう。

文章に具体性を持たせる事が出来るので、5W1Hの使い方はその人の文章力における個性が現れると言っても過言ではありません。

採用試験で課される作文は就職活動の一環である以上、書き手である応募者が企業の求める人物像に一致しているかどうかを見られています。作文内では5W1Hを駆使した書き方を意識して、自分の考えや人となりをそれとなく表現する事を意識しましょう。

ルール9「むやみに漢字を使わない」、ルール10「文章を見直す時間を確保しておく」

適切に漢字を用いる事は読みやすい文章を書く上で意識しておきたいポイントです。

しかし文章内の漢字使用量が過度に多くなってしまうと、読み手に堅苦しい雰囲気や印象を与えてしまったりかえって読みにくくなってしまう可能性があります。

特に作文のような長い文章になると、漢字が増える事による印象の変化は顕著なものになるでしょう。常用範囲内で難しくない漢字であっても、あえてひらがな表記にすると読みやすい文章に仕上げる事が出来ます。このように漢字表記をあえてひらがなにする事を「漢字を開く」と呼ぶ事も覚えておきましょう。

読みやすさを意識してよく開かれる漢字には「頂きます」「下さい」「事」「更に」「後で」「良い」などが挙げられます。

練習でも本番でも、制限時間内に書き上げた作文を一度読み直せるだけの時間を確保しておきましょう。読み返す際には誤字・脱字はもちろん、三部構成の形は成立しているか、テーマやタイトルから逸脱した文章になっていないか、一文一文の長さや段落分けは適切であるかなどをチェックしましょう。

「文章を書き上げる能力」と「文章を読んで校正する能力」は似て非なるものです。普段の練習から読み直すクセを付けて、本番でも落ち着いて読み返せるようにしておきましょう。課される文字数にもよりますが作文を書き終えてから最低でも5分、複数の書き直しがあった場合の事を考えると10分程度の余裕があると望ましいです。

最後に全体を読み返す以外にも、段落を書き終わり毎や序論・本論・結論それぞれの書き終わりである程度読み返しておくと校正が楽になります。

ポイントを押さえて練習を積んでおこう

普段から作文や論文のように、比較的長い文章を書く事に慣れている人もそう多くないでしょう。

今回ご紹介したように、クオリティの高い文章を書き上げる為に押さえておきたいポイントは多岐に及びます。就職活動という自分の将来を左右する場面での重要な作文で失敗しない為には、平常心で考えをまとめて文章に起こす訓練を積んでおく事が重要です。

作文を大きな視点で見る力、読みやすく文章をまとめる力、正確な文章を書いたり校正する力、これらの力を制限時間内に十分発揮出来るように練習して本番に臨みましょう。

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