就職活動をしても内定が得られず、立ち直れないほどのショックを受ける人は少なくありません。
しかし、そんな状況でもチャンスはあります。
この記事では、内定を得られなかった場合、どのように行動すればいいのかを解説します。
なぜ失敗したのかを分析しよう
新卒のチャンスを逃してしまうと、もう就職することはできないと考える人がいます。しかし、実際には、そのようなことはありません。
世の中には数えきれないほどの求人があるのであり、時期に関係なく就職することは可能です。
これは中小零細企業に限ったことではなく、大企業にも当てはまります。
そのため、内定が得られなかったからといってあきらめる必要はなく、自分のペースで就活を続けることが大切です。
しかし、今まで内定を得ることができなかったのですから、やみくもに就活を続けても、同じように失敗する可能性は否定できません。
そこで、なぜ今まで失敗してきたのかをしっかりと分析し、原因を突き止め、改善を図る必要があります。
分析には、今まで企業に提出してきた履歴書やエントリーシートが役立ちます。コピーなどを保管している場合は、それを読み返してみましょう。
今までの行動や態度を客観視できるため、失敗してしまった原因を見つけることが可能です。
以下の段落では就活生がやってしまいがちな失敗例とその改善方法を紹介します。履歴書やエントリーシートと照らし合わせてみましょう。
【よくある失敗1】企業や業界を絞り過ぎている
仕事に対する強い想いを持つことは大切です。
しかし、大部分の就活生は、会社で働いた経験がありません。
そのため、自分では向いていると思っていても、実は向いていないことがよくあります。向いていないにもかかわらず、特定の企業や業界のみに絞って就活をしてしまえば、内定を得るのは難しいです。
何度も繰り返し不採用通知を受けるとショックも大きくなり、就活に対するやる気そのものがなくなってしまいます。
このような事態を避けるためには、広い視野を持つことが重要です。視野を広げる方法としては、合同企業説明会が役立ちます。
今まで存在すら知らなかったような企業や業界を知る機会になります。興味のない企業であっても、とりあえず話を聞いてみましょう。意外な面白さを発見できるかもしれません。
また、合同企業説明会では、ほとんど就活生が集まっていない企業のブースがまれにあります。このような企業は、就活生を集めることに焦っている場合が多いため、顔を出せば色々な話を聞ける可能性が高いです。
余裕があればインターンにも参加してみましょう。実際の仕事を肌で体験することができるため、ミスマッチを未然に防ぐことが可能です。
インターンには短期と長期の2つがあります。短期であれば時期に関係なく参加できるものが多いため、就活に出遅れてしまっても挑戦できます。
【よくある失敗2】大企業ばかり受けている
大企業は知名度が高く、福利厚生などにも恵まれている傾向があるため、入社したいと考える就活生は少なくありません。
しかし、だからこそ、内定を得るのは困難です。
大企業を目指す就活生は、難関大学の学生や特殊な経験を持っている学生などが多く集まる傾向があります。
つまり、大企業の内定を得るためには、そのようなレベルの高い学生との競争に勝たなければならないということです。
もちろん、だからといって大企業をあきらめる必要はありません。大企業でも臨時の求人を出していることは少なくないため、就活に出遅れてしまっても挑戦することは可能です。
しかし、大企業だけを志望していると、内定を得られる可能性は低くなってしまいます。
改善策としては、大企業だけでなく、中小零細企業も視野に入れることです。今まで大企業だけを目指してきたのであれば、急に中小零細企業を目指すことに抵抗を覚えてもおかしくありません。そのようなときは、なぜ大企業に就職したいのかを深堀してみましょう。
そして、理由が明らかになったら、それは本当に大企業でしかできないのか、中小零細企業でもできるのではないかと吟味してみることです。考えを深めることによって視野を大きく持つことができるようになります。
また、中小零細企業の探し方がわからない場合は、今まで目指していた大企業を中心に考えてみましょう。大企業の子会社や取引先など、大企業に関連する企業であれば見つけやすく、かつ興味も持ちやすいです。
【よくある失敗3】志望動機が自分の利益を優先したものになっている
就活生としてはアピールのつもりでも、企業からすればただのわがままに見えてしまう志望動機が少なくありません。
例えば「勉強したくて御社を志望しました」というものです。企業は勉強するところではありません。企業が人を採用するのは、自社の利益を生み出すためです。
そのため、採用される人は、企業に利益をもたらしてくれることが期待できる人になります。
勉強をしたいとは、つまり、現時点では勉強が足りていないということであり、企業からすれば利益をもたらしてくれるようには判断できません。端的に言えば、「勉強したい」という志望動機には企業の視点が入っておらず、自己中心的なのです。
改善策としては、企業のために何ができるのかを考えることです。
自分にとって利益になるから企業を志望するのではなく、企業の利益に貢献できることがあるから志望するという形で志望動機を作ります。もちろん、心の中では、自分の利益になることが本当の志望動機であっても構いません。
しかし、それを表現してしまうと、企業が受ける印象は悪くなってしまいます。
たとえ企業が優れた福利厚生をアピールしていたとしても、それを志望動機にするのは望ましくありません。
就職しさえすれば大丈夫と考えるのではなく、自ら利益を生み出していかなければならないという自覚を持つことが大切です。
【よくある失敗4】志望理由が企業の紹介になっている
志望動機において、企業が聞きたいことは、なぜこの企業で働きたいと考えたのかという点です。
しかし、中には、企業の紹介をしているだけの志望動機があります。
例えば、「御社は海外展開しており、社会貢献度が高いから志望しました」といったものです。これでは応募者の考えが見えてきません。
改善策としては、自己分析をして、自分の考えを明確にすることです。
志望動機では自分の主観的な考えを伝える必要があります。企業の説明は客観的事実であり、主観ではありません。
仮に海外展開していることを志望動機に盛り込みたいのであれば、なぜ海外展開が自分にとって魅力的に感じるのかを説明する必要があります。なぜ魅力的に感じるのかという答えは自分の中からしか出てきません。だからこそ自己分析が重要になります。
自己分析は細かい点まで気にするとキリがありません。そこであらかじめゴール設定をする必要があります。
重要なことは、自分はどういう人間であるのか、自分は何がしたいのか、それの実現にはどのような企業でなければならないかの3つを明確にすることです。
この3点を明らかにできれば、就職活動における自己分析は十分でしょう。また、自己分析をするにあたり、意識したい3つのステップがあります。
1つ目は自分史を作ることです。中学時代・高校時代・大学時代と大まかに時代を分け、それぞれの時代においてどんな経験をしてきたのかを書き出していきます。
2つ目は自分史の分析です。なぜその経験をしようと考えたのか、なにか苦労したことはあるか、その苦労に対してどう対処したのか、といったことをまとめます。
3つ目は自分史の分析から自分の傾向を知ることです。
自分史の分析によって、どういったときにモチベーションが生まれるのかがわかるようになります。
この点が明らかになると、どのような特徴を持った企業が自分に合っているのかを理解できます。
【よくある失敗5】主張に一貫性がない
履歴書やエントリーシートには、学生時代に力を入れたことや長所、自己PRなどさまざまな項目があります。
書かれていることに一貫性がないと、企業としては、本当のことを書いているのか疑ってしまいたくなります。
さらに、一貫性がないと、論点がわかりにくくなってしまうため、結局のところ何を伝えたいのかが不明瞭になりがちです。
また、履歴書やエントリーシートに書かれていることと面接での発言に食い違いがあると、面接官としてはどのように対応していいのかわからなくなってしまいます。
結果的に面接官は適切な質問を出すことができず、就活生がどんな人であるのかを十分に知ることができません。どんな人であるのかわからずに採用する企業はまれでしょう。
改善策としては、自己分析をしっかりと行ったうえで、自分の軸を明確にすることです。自分はこういう人間であり、こういうことをしたいから、今までにこんな経験を積んできた、というように物語に筋が通っていると伝わりやすくなります。
また、自分の軸が明確だと、面接で予想外の質問を受けても的確に答えることができるようになります。発言に自信がともなうため、企業は良い印象を受けます。
【よくある失敗6】面接に慣れていない
志望動機や自己PRなどがうまくまとまっていても、面接でしっかりと伝えることができなければ不採用になってしまいます。
たいていの場合、面接は、企業やホテルなどで行われ、面接官と向き合って話し合います。
慣れない環境であるため、緊張してもおかしくはありません。そして緊張していると、伝えたいことがうまく伝えられない可能性が高くなります。
改善策としては、面接練習を繰り返して慣れることです。家族や友達などに面接官の役を演じてもらい、模擬練習をしてみましょう。
ハキハキと大きな声を出せているか、相手の目を見て話せているかなどを意識することが大切です。
練習のあとは、家族や友達からフィードバックをもらい、悪いところはどんどん改善していきましょう。
また、面接で落ちてしまう人に少なくないのが、暗唱するかのように話すことです。面接はあくまでも会話であり、自然に話す必要があります。
もちろん、あらかじめ面接で話す内容を決めておくことは重要です。
しかし、原稿を読み上げるように声を出してしまうと、面接官としては違和感を覚えます。文章を丸ごと暗記するのではなく、キーワードを覚えることで、自然と話すことができるようになるでしょう。
留年や進学もアリ
絶対にあこがれの企業でないと働きたくない、もう少し時間が欲しい、という場合は就職留年や進学などの選択肢もあります。
就職留年をする場合に、就職の不利にならないのかを気にする人は多いです。この点については企業によって異なるため一概にはいえません。
計画性のなさを指摘する企業もあれば、就職留年と実際の仕事に関係はないと考える企業もあります。
しかし、どのような企業を受けるにせよ、留年した理由についてはしっかりと答えられるように準備しておくことが大切です。
就職活動に失敗したことを正直に言ってしまうとマイナス評価を受ける可能性が高いため、面接官を納得させられるようなエピソードを用意するのが望ましいでしょう。
進学する場合は、専門学校や大学院などがあります。明確にやりたい仕事がある場合や実務能力を高めたい場合は専門学校が向いています。
講師は実務経験を積んでいる人が多く、仕事に直結するような講義を受けることが可能です。
また、教育環境が整っていることも多く、実際に仕事で利用する設備を使って勉強ができます。
研究をしたい場合や理論的なことを追求したい場合には大学院の進学が向いています。理系では大学院へ進学したほうが就職しやすいことも多く、一発逆転を狙うことも可能です。
しかし、大学院はあくまでも研究をするところであり、進学するためには高い専門性が求められます。
たいていの場合、大学院の試験は夏と冬に行われます。就職活動をあきらめ、大学院への進学に切り替える頃には、試験勉強をする時間がないことが珍しくないため気を付けましょう。
また、研究する分野によっては、専門性が高すぎるために仕事に生かせないことがあります。大学院へ進学する前に、研究したいことが就職に役立つかどうかをしっかりと吟味しておくことが大切です。
あきらめない気持ちが大切
求人は時期に関係なくあふれています。それだけ多くの企業が人材を必要としているということです。
そのため、周囲が内定を獲得していく中、自分だけが内定を得られなくても心配する必要はありません。
大切なことは、内定がないという事実を認めたうえで、なぜ内定が得られないのかを分析し、改善を繰り返すことです。たとえ、留年や進学で時間を稼いでも、結局はまた就職活動をしなければなりません。
その際に、内定が得られないことの原因を改善できていないのであれば、再び悩むことになります。ときには休憩をしながら、コツコツと就職活動に取り組みましょう。
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