就活で落ちてしまった際の振り返りと繰り返さないための改善方法とは?

就活の面接ではほとんどの人が「不採用」の経験をします。ですから就活で落ちることは決して恥ずかしいことでも何でもありません。

現在、就活で落ち続けている方に知ってもらいたいのは、就活を成功させるには落ちたあとの行動が非常に重要ということです。

具体的には「過去の面接を振り返る」ということです。今回は就活で落ちてしまった際に必要な振り返りの作業と就活落ちを繰り返さないための改善方法などをまとめましたのでご紹介します。

就活で落ちてしまった理由を明確にしなければ改善策も練れない

就活で落ち続ける人と、失敗パターンを二度と繰り返さない人には大きな違いがあります。それは失敗した理由を明確にし、次に活かしているか否かということです。就活で落ちたときは誰しもが「落ちてしまったか…」という感情を抱きます。

しかし、その失敗を次に活かしている人は「なぜ面接に落ちたのか?」「どこに不備があったのだろうか?」といったように、前回の就活を振り返ることができています。

この振り返りという行動は、就活において非常に大切なものであり、過去の面接などを振り返ることで落ちた理由の本質を知ることが可能になります。

落ちた理由を明確にし、次の面接で改善するようにすれば、自ずと就活成功の確率はグッと上昇します。このような理由から現在、就活に落ち続けている方は、一度次の面接に向かう前に前回の面接を振り返る癖を身に付けておくことをおすすめします。

就活で落ちてしまった際の振り返り方

就活で落ちてしまった際の振り返り方

就活で落ちた際の振り返りの重要性は理解できましたが、具体的な振り返り方がわからないという方も少なくありません。就活の振り返り方はさまざまな方法があり、最終的には自身のやりやすいような振り返り方を確立させるのが最も理想的です。

しかし、効率的な振り返り方がわからないと悩む方の場合は、「就活ノート」を1冊作成しておくのがよいでしょう。就活ノートとは、実際の就活で得た情報を項目別にまとめ、自分の見やすいように整理しておくノートのことを指します。

そして現在複数社の面接が控えているという方は、面接終了後に振り返りを行い、自身の中で得た情報などを就活ノートに記録するようにしましょう。就活ノートに面接後の情報を記録するのは、以下のような目的のためです。

  • 質問に対する返答内容のブレを防ぐ
  • 企業が面接で使用する質問内容を把握する
  • PCDAサイクルを上手に回す

就活では1次面接、2次面接、最終面接といったように、同じ企業内で複数回の面接を行うことが多々あります。そして中には1次面接で投げかけられた質問を、2次面接のときに再度してくる面接官もいます。

このようなときに1次面接と2次面接で回答内容が異なると、面接官は「この学生は自分の発言に責任を持っていないな」などの感情を抱く可能性もあるでしょう(※多くの面接官は知り得た情報をメモしていますから違うことをいうとバレる確率は高いです)。

就活ノートに面接後の情報を記録するのは、この質疑応答のブレをなくすためでもあります。また、毎回面接で挙がった質問内容を就活ノートに記録しておくことで、事前に質問対策ができるというメリットも期待できます。

この他、面接情報をこまめに就活ノートに記しておくと、PDCAサイクルが効率的に回る効果が期待できるでしょう。PDCAとは「Plan(プラン)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字をとった用語であり、主に業務の効率化を図る方法のひとつです。

特に就活初期のころは面接時の環境に不慣れであったり、大事なポイントなども把握できていなかったりするため、活動を行う度にPDCAを意識しておく必要があります。PDCAサイクルを上手く回すには、以下のようなポイントを抑えておきましょう。

  1. 目標をしっかりと定めたプラン(P)を練る(例:質問対策をクリアするために必要なことなどを明確にしておく)
  2. (1)のプランどおりに実行(D)する
  3. プラン通りの行動ができたか評価、チェック(C)する
  4. (3)で出てきた課題を改善(A)する
  5. (4)の改善策を組み込んだ新しいプラン(P)を実行(D)する

就活で落ちるには何かしらの課題があるということです。この課題をPDCAによってひとつずつ改善していけば、就活が成功する可能性も上昇します。

面接後に得た情報はどんな小さなことでもかまわないので、就活ノートに記しておき、PCDAサイクルを効率的に回していくようにしましょう。

就活で落ちる理由を振り返る

就活に落ちたあとの振り返り方を習得したら、次は実際に就活で落ちる主な理由を見ていきましょう。ここでは面接落ちで多い理由を5つまとめましたのでご覧ください。

見た目・態度に問題がある

「人の第一印象は見た目9割」という言葉があります。心理学には「メラビアンの法則」という1971年に米国で提唱された概念がありますが、この法則によると人は相手を判断するときには以下のような点を重視するといわれています。

  • 視覚情報(表情などの見た目)・・・6割
  • 聴覚情報(話し手が発する声の大きさやトーン、話し方(口調など))・・・3割
  • 言語情報(話し手が発する言葉の意味や構成される話の内容など)・・・1割

ご覧のように人が人を判断するときには、見た目などの外見、耳に入ってくる声の大きさやトーン、口調といった情報を重視しています。

もちろんこの法則は就活というシーンにおいてもある程度当てはまるものであり、身だしなみや質疑応答時の話し方に問題があると面接官に不快な印象を与えてしまう可能性があります。

態度に問題があると聞くと「横柄」といった印象がありますが、就活では横柄とは真逆の頼りないイメージを与えるのも逆効果となりますので注意しておきましょう。

単純な準備不足

就活では何社もの企業の面接を受けるという方も少なくありません。そして多くの方は自分の特徴、長所、短所などを把握する自己分析の準備はしっかりと行なっています。

しかし、残念ながら面接を受ける企業の研究をまったくしていなかったという方が目立つのです。企業研究がおざなりになってしまうと、その企業に対する熱意なども伝わりにくいため、結果的に面接官に与える印象も薄くなりがちです。

中には他の企業の情報と混じって、的外れな発言をしてしまう方もいるため、十分な注意が必要になります。


緊張感の欠如

緊張のしすぎで自分の本来の魅力を伝えられなかったという就活生は多いですが、逆に自信がありすぎるタイプの方も注意が必要です。就活生の中には「自分は面接が得意」という方もいますが、過剰な自信は逆に就活落ちの原因になることもあります。

自信過剰の状態で面接に臨むと、どうしても適度な緊張感などが欠如するため、面接官によっては「緩すぎる」という印象を抱く可能性があります。

このような緩すぎる印象は、言い方を変えれば「不真面目に見える」ということですので、面接官がプラス査定を出すことは限りなく低いです。

また、あまりに自信過剰な印象を与えてしまうと、実際に仕事をするときに個人プレーに走ってしまうのではないかという懸念を持たれる可能性もあります。

大部分の企業の仕事ではチームプレーが求められますので、このような点から見ても過剰すぎる自信はマイナスの印象を与えかねません。

質問に対する対策が不十分

就活の面接では企業によってさまざまな質問が用意されています。この質問に対する準備、対策ができていない方は、適切な回答を返すのが難しくなるため、面接官に与える印象がマイナスになりがちです。

就活の面接ではただでさえ冷静さを欠きやすい中で行われることが多いです。そのため、練習では上手くできていても本番の面接では緊張がジャマをして頭が真っ白になることも多々あります。

このような理由から面接時の質問対策は十分すぎるほどの練習を繰り返したほうがよいといえるでしょう。

また、中には事前に投げかけられる質問を予測して、それに対する回答を考える方もいますが、注意しておきたいのは結果以外の回答を求められたときです。

たとえばですが、学生時代に得た経験などの質問をされた場合、多くの方は「○○をしていました」などの結果のみを回答します。

しかし、面接官によってはその経験ができた経緯や考え方なども質問してくるため、これらに対しても具体的に説明できるようにしておくと安心、安全です。

必要最低限のビジネスマナーができていない

社会人として大切なのが、必要最低限のビジネスマナーです。ビジネスマナーを守れない方は、仮に企業に勤めたとしても社内の輪を乱したり、人間関係を悪化させたりする恐れがあります。

そのため、面接では企業側も必要最低限のビジネスマナーを守れているか否かをチェックしています。必要最低限のビジネスマナーとは具体的に説明すると、「時間を守ること」などです。

約束の時間に指定の場所へ到着しているのは、まさに必要最低限のビジネスマナーの代表格といえます。定められた出勤時間に遅刻する、会議開始から5分遅れて参加する、取引先との商談では遅刻で相手を長時間待たせる。

これらの行為は自社や取引先の人間にも大きな迷惑がかかり、最悪の場合は企業全体のイメージが損なわれることもあります。前述の見た目や態度にも必要最低限のビジネスマナーというものがあるため、面接前には最低限の対策を施しておくようにしましょう。

就活落ちを繰り返さないための6つの改善策

就活、面接に落ちやすい理由が把握できたら、あとは適切な改善策を実践するのみです。ここでは就活落ちを繰り返さないための対策法を6つまとめましたので解説します。

就活にふさわしい身だしなみを意識する

就活中の身だしなみで意識するのは、第一に清潔感です。シミ、シワなどが目立つスーツやシャツで外出すると周囲に「どこか汚い」という印象を与えてしまうため、着用前のチェックは忘れないでください。

男性の場合は無精髭などはNG、女性もノーメイク、派手すぎるメイクは厳禁です。また頭髪に関しては寝ぐせはもちろんのこと、整髪料の付けすぎも逆に不潔な印象を与えるので注意してください。

髪型に関しては男女共通のポイントとして「額を出すこと」「耳から顎のラインをすっきり見せること」が挙げられます。

男性の場合だと髪の長さは耳にかからない程度にし、もみあげを整えるようにします。男性よりも髪の長い女性はサイドの髪を耳にかけたり、後ろで束ねるのがおすすめです。

第三者に話し方や表情などをチェックしてもらう

就活にふさわしくない態度(話し方や表情)が理由で面接に落ちた方は、話し方や表情を改善するために第三者にチェックしてもらう方法も有効です。

特にチェックを担当する第三者は、毎日顔を合わせている家族などではなく、普段あまり接することがない知人などにお願いするのもよいでしょう。

理由としては毎日会話をしている人間がチェックを担当すると、話し方や表情に慣れてしまっているため、本当の問題点が把握できないといったことが起きやすいからです。

ときどき初対面の人と会話をすると、「この人ちょっと喋り方が独特だな」と感じることがあります。

これは相手の話し方などに慣れていないことから覚える違和感ですので、就活のためのチェックも普段自身と接する機会が少ない人に依頼したほうが、本当の問題点を見つけやすいという利点があります。

話し方に関しては適度な大きさ、スピードで相手に伝わるように話すことが大切です。普段敬語や丁寧語を使う機会は少ないため、就活前には必要最低限の正しい敬語、丁寧語を勉強しておくようにしましょう。

また、面接中は笑顔が好まれやすいといわれていますが、不気味な印象を与えるニヤニヤとした笑顔などはNGです。面接官に好印象を与えるには、小さく微笑むぐらいの笑顔が有効です。

企業研究をしっかりと行う

企業研究をしっかりと行うことは、面接突破のためだけではなく、後々の就職企業失敗を防ぐ意味でも重要です。たとえばですが、企業の歴史や事業規模、拠点などの情報から転勤があるか否かという情報をある程度見抜くことも可能です。

転勤を希望しない方の場合であれば、転勤ありの企業の面接は辞退するはずですが、企業研究の準備不足により、面接で転勤があるということを知った場合、それまでにかけた手間や時間はすべてムダになります。

このような就活は非効率的な方法となりますので、面接を希望する企業に関しては事前に必ず企業研究を行っておくようにしましょう。もちろん企業研究は面接を突破する上でも重要な作業となります。

企業研究で対象企業の特徴などを把握すれば、面接時にその熱意を伝えることも十分に可能です。

企業の特徴を把握しなければ「自分が会社のために役立てること」なども伝えることができないため、このようなケースでは面接落ちの可能性が高くなります。企業理念、社風などもリサーチしておけば、面接官に与える印象もプラスになるでしょう。

真面目さや誠実さが伝わる態度で面接に臨む

前述のように就活の面接は緊張しすぎも良くありませんが、自信過剰の態度で臨むのも良くありません。面接に自信がある方は、その自信で真面目さや誠実さを精一杯アピールするようにしましょう。

真面目さ、誠実さは面接だけではなく、実際に仕事をする上で良好な人間関係を築いていくのに必要なことです。そのため、面接の自己PRなどでこの部分を最大限主張できれば、面接突破の可能性は高くなります。

たとえばですが、自分の考えたアイデアにクレームや低評価などが付けられた場合、ほとんどの方は良い気分になることはありません。

しかし、このようなケースで「お客様からいただいた貴重なご意見を参考にして、改善に務めました」といったエピソードなどを持っている方は積極的にPRしていきましょう。

このようなPRは面接官にも「会社の課題を改善してくれる人材かもしれない」という期待感を抱かせることができます。

真面目さや誠実さは働く上での基礎となる能力ですので、関連するエピソードがある場合は面接官にしっかりと伝えることをおすすめします。


「面接でよくある質問」を把握しておく

就活で避けては通れない面接官からの質問に対する対策もしっかりと考えておく必要があります。

基本的に就活ノートをしっかりとつけている方やすでに多くの企業の面接を受けている方なら面接官からよく聞かれる質問を把握していることも多いです。以下に、就活の面接で聞かれやすい主な質問をまとめましたので参考にしてください。

  • 志望動機は何ですか?
  • 自己PRをしてください
  • 学生時代に頑張ったことは?
  • 長所や短所は?
  • あなた自身の性格は?
  • 周囲からはどんな人に見られていますか?
  • リーダーシップなどを発揮したことはありますか?

上記はよく聞かれる質問のほんの一部ですが、事前に質問事項をある程度把握できていれば対策も可能になります。

また、より質問対策を入念に行いたいという方は、質問の意図を理解しておくのもおすすめです。「なぜ面接官は○○の質問をするのか?」といった疑問を解決しておくことで、場合によっては他の質問にも応用することができます。

基本的に多くの企業は自社が第一志望の人材を好む傾向にありますので、その企業に対する熱意などをアピールできるようにしておくとよいでしょう。

必要最低限のビジネスマナーを習得しておく

就活成功は面接官にどれだけ好印象を与えられるかがカギを握っていますので、必要最低限のビジネスマナーはしっかりと習得しておくことが大切です。

面接でのビジネスマナーは多岐に渡りますが、今回は入室から退室までのマナーをご紹介します。以下に、面接官から名前や番号を呼ばれてからの手順やマナーを記載しましたので参考にしてください。

  1. 名前や番号を呼ばれたら元気よく「はい」と返事をする
  2. ノックは3回(2回はトイレノックのため注意)
  3. 「どうぞ」という声が聞こえたら「失礼いたします」といってドアを開ける
  4. 室内に入ったらドアのほうを向いてドアを閉める(後ろ手で閉めるのはNG)
  5. ドアを閉めたら面接官のほうを向きお辞儀をする
  6. 椅子の横まで歩いていき、姿勢を正して立つ
  7. 大学名と名前を求められたら「○○大学○○学部の○○と申します。よろしくお願いいたします」といい、お辞儀をする
  8. 「どうぞ」といわれたら「失礼します」といい、会釈程度のお辞儀をして座る

面接時にはこの他にも15分前に受付を済ますことや控え室でも落ち着いた態度などが好ましいとされています。ぶっつけ本番でマスターするのは難しいため、事前に友人、知人、家族などに見てもらいながら練習しておくようにしましょう。

まとめ

今回は就活に落ちたあとの振り返りの重要性、就活に落ちる理由や改善策などを解説しました。新卒の就活の平均エントリー数は約30社~50社ほどといわれており、面接が進めば進むほど就活落ちの回数も積み重なっていく方が少なくありません。

このようなときに過去の面接を振り返ることは非常に重要な作業であり、振り返りによって落ちる理由や課題などを見つけることができます。落ちる理由や課題が見つかれば、適切な改善策も練ることができるため、面接通過の確率も上昇します。

就活に落ちたときは、そのまま落ち込むのではなく、「なぜ落ちたのか?」「失敗を繰り返さないためにはどこを直せばよいのか?」といった疑問を徹底的に追求していきましょう。現在、就活で上手くいかない方はぜひ参考にしてください。

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