就活面接で「転勤」について聞かれた際の適切な回答方法

国内だけでなく世界にも支社があるような大企業の場合、キャリアアップするためにも転勤は避けて通れません。

そのためそうした企業の就職面接では「転勤は大丈夫ですか」と聞かれることがあります。今回は転勤に関する質問が来たときの答え方について説明をします。

★本記事のポイント(1)「転勤は大丈夫ですか」という質問の意図を理解しましょう。
(2)良い回答方法と悪い回答方法を理解しましょう。
(3)ベストな回答方法を理解しましょう。

 


そもそもどんな意図で質問をしているのか

そもそもどんな意図で質問をしているのか

就活の面接で転勤のことを聞くのは、一体どのような意味があるのでしょうか。

転勤のことを尋ねる目的の1つは、「転勤があるという理由で内定を辞退しないかどうかを知るため」です。現在の就活は人事担当者の面接から始まり、特定の事業の部門長、役員や社長など様々な人が面接に関わっており、使用する時間やコストは少なくありません。

多大なコストや時間を使って内定者を決めたにもかかわらず、内定を辞退されてしまうと、企業側からすれば時間やコストを空費してしまったということになります。そのため転勤に関する質問は、内定を辞退しない人を見極める目的でおこなっていることがあります。

また、「転勤で会社をやめてしまわないかを知ること」も目的の1つです。現役の会社員にとっても住み慣れた土地を離れる転勤は好ましいものではなく、転勤そのものを拒否して企業を辞めてしまうという人も珍しくはありません。

会社を去るということは辞表を出した会社員だけでなく、企業自体にも大きな損失を与えることになります。就職で転勤のことを尋ねるのには、内定者が社員となった後に転勤を理由にして辞めてしまわないかどうかを判断するという意図も含まれています。

3つ目の目的は、「仕事についてどう考えているのかについて知ること」です。企業は社会に対して様々な貢献を義務付けられている組織です。その貢献を果たすために、ときには所属している社員に対して理不尽なことを命じなければいけないことがあります。

原則的に社員側は命令を拒否する権利はあるのものの、企業ないし社会の一員として居続けたいならば、その理不尽を受け入れなければいけないという「覚悟」が要求されることがあります。

転勤の質問をする意図には、そうした社会に対する「覚悟」があるのかどうかをみていることがあります。

転勤の質問にはどう答えたら良いのか

転勤の質問にはどう答えたら良いのか

それでは、就活の面接で転勤は可能かどうかを尋ねられたときはどのように答えたら良いのでしょうか。基本的には「どこに派遣されても大丈夫」ということを伝えるようにしてください。全国各地に支店を持っている企業に総合職として入社するということは、本社以外の支社に派遣されることは避けて通れないと考えなければいけません。

特定の支店への異動を命じられるのは「その支社は人手が不足している」、あるいは「あなたが持つスキルが発揮されるのを期待している」という意味が含まれている場合があるので、そうした企業からの期待にしっかりと応えるという意図を込めて「どこに派遣されても大丈夫です」と答えるようにしましょう。

このような返答をした場合、企業によっては「特定の地域にいってもらうことになるが、大丈夫ですか」と尋ねられることがあります。その場合も同様に「その場所に赴任することになっても大丈夫です」と伝えるようにしてください。「特定の地域」というのは内定者研修がおこなわれる場所であることも多いので、面接官になぜその場所なのかという理由を尋ねても大丈夫です。

ただ、親族や身内の事情で転勤することができない人も中にはいるでしょう。そのような場合は「親族や身内の事情で転勤するのは難しい」ということを正直に伝えるようにしてください。

仮にここで嘘を言って内定を得たとしても、転勤の辞令がきたら拒否しなければならなくなり、結果として会社をやめてしまうと本人だけなく会社にも損失を与えることになります。双方の損失を避けるためにも、転勤は難しいと正直に言いましょう。

より良い回答をするためには

より良い回答をするためには

転勤について聞かれたら、「どこでも大丈夫です」と答えるのが基本となりますが、より良い印象を与えるための回答方法をいくつか紹介します。

ひとつめは、「親が転勤が多く、自分も転勤に対して抵抗がないことをアピールする方法」です。親が転勤の多い仕事をしている関係で、自身も幼いときから親に付いて様々な場所にいっていたという人もいるでしょう。

そのような場合は「自分は転勤に慣れていること」や「転勤先で色々なことを学んだこと」などをアピールすると、面接官に良い印象を与えることができます。この返答をするときは、特に良かった場所とその理由を言えるようにしておいてください。面接官によっては印象的な場所などを聞かれる場合があります。

もうひとつは、「新しい出会いを楽しみにしている」という答え方です。転勤は自分の見知らぬ土地にいくことになるので、不安が大きくネガティブに捉えてしまう人は少なくありません。

しかし、見方を変えれば自分の知らない土地や人に出会えるということであり、それによって自分の見聞を広げられるチャンスにもなります。「自分が知らないことに出会えるのを楽しみにしている」という風に伝えられると、面接官に良い印象を与えられるでしょう。

海外への転勤がある場合は「自分の知らない言葉や文化に触れるのが楽しみ」とアピールしても良いでしょう。

海外の支社では、社内で使用されている言葉が現地の言葉であることが多く、さらに支社にいるスタッフの価値観や考え方も日本とは異なっている場合が多いです。

最初は戸惑うかもしれませんが、海外の事情を知ることは自分の価値観を大きく広げられるチャンスにもなるので、「海外への転勤も臆さずにいきます」ということをアピールするようにしてください。


良くない回答とは

今度は逆に、良くない印象を与える回答についてみていきましょう。

まずは「曖昧な態度をとってしまう」ことです。「転勤の辞令が来ないとどうなるかはわかりません」など、転勤を受け入れるか受け入れられないかはっきりしない態度はなるべく避けてください。

企業が恐れているのは、転勤があることで内定を辞退したり入社後に企業を去ってしまったりすることです。転勤があっても大丈夫という態度を示さないと「転勤はNG」と面接官は捉えてしまい、良くない印象を与えてしまいかねません。

「地元ならば大丈夫」という回答も良い印象を与えません。中には「自分の見知らぬ土地は嫌だが、地元など自分の知っている土地ならば赴任しても問題はない」という人もいるでしょう。一見すると問題ないように見えますが、面接官からすれば印象はあまり良くありません。

面接官が転勤のことを尋ねる場合、その候補地は10箇所以上であることが多いのです。そのうち1~2箇所しかない地元なら大丈夫と答えることは「どこにも行きたくない」と受け止められてしまい、良くない印象を持たれてしまう場合があります。

ただし、「希望する勤務地はどこですか」という質問に対して地元近辺と答える分には問題ありません。この場合は「第一希望は地元ですが、他の場所にも不満なく赴任します」という意味になるからです。

できるだけポジティブな返答を

できるだけポジティブな返答を

転勤に関する質問が来た場合、基本的には「どこに赴任することになっても大丈夫です」という意図を持った返答をするようにしてください。そしてその際は「親の仕事の関係で見知らぬ土地にいくことには慣れている」ことや、「見知らぬ土地で自分のキャリアを深めたり見聞を広めたりしたい」など、自分なりの転勤が大丈夫である理由を用意しておくと面接官により良い印象を与えることができます。

転勤に関する質問も他の質問と同様に、できるだけポジティブな内容で返答するようにしましょう。

★本記事のおさらい(1)質問の意図は転勤があるという理由で内定を辞退しないかどうかを知るため
(2)出来るだけポジティブに回答するようにしましょう。

 

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