高卒で何度も転職活動にチャレンジしているのに、ことごとく不採用になり、もしかして高卒は転職できないのではないかと考えている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、高卒の人が転職できない場合の理由と、転職を成功させるためのコツ、おすすめの業界について紹介します。
高卒が転職できない理由3選
高卒でももちろん転職を何度も成功させ、キャリアアップを図っている人も少なくありません。
しかし、その一方で何社にも応募書類を送っているのに、書類審査も通過せず、転職できずに悩んでいる人がいるのも事実です。
ここでは、高卒がなかなか転職できないその理由について解説します。
転職できない理由1.学歴重視の企業にばかり応募している
高卒の人が転職活動をするとき、現状の給料に不満を抱えていて、今よりも給料を上げようと思って、「給料の高い一流企業」に挑戦する人も多いでしょう。
給料で選ぶと、やはり名の通った企業がピックアップされます。
しかし、このような企業は残念ながら学歴重視で選考するような保守的な企業が多く、保守的な企業であればあるほど、学歴重視で人材を確保しようとする傾向があります。
このような学歴重視の企業は、履歴書の学歴・職歴欄にウェイトを置いています。
大卒が基本で、大卒の中でも特定の水準の大学以外は選考の対象にすらならない、いわゆる「学歴フィルター」というものがかかっていることが多いのです。
学歴フィルターをかけているような企業では、高卒が転職を成功させることは困難です。
書類選考の時点で落とされることがほとんどで、面接には進めないのが当たり前の世界です。
転職できないと悩んでいる高卒の方は、もしかしたら給与で選ぶあまり、こういった学歴重視の企業ばかりを選んで応募しているのかもしれません。
転職できない理由2.応募書類に第三者のチェックが入っていない
応募書類は、一次選考の際だけでなく、二次選考以降も採用担当や直属の上司になる可能性がある社員が見るため、転職活動の中でかなり重視されるものです。
しかし、転職できないと思っている高卒の人は、この応募書類を誰にも見せず、自分だけで作成してそのまま企業に提出しているのではないでしょうか。
自分だけで作成した応募書類は、客観性に欠けてしまいます。
自分の弱みが見えていないことはもちろんですが、転職活動の中でもっとも重要な自分の強みさえ見えていない人が多いのです。
企業にとって、応募者がどんな強み・武器を持っているのかを把握するのは、非常に重要なことです。
だからこそ、応募書類は自分だけで作成するのではなく、出来るだけ第三者にチェックしてもらうようにしましょう。
大卒者の場合はキャリアセンターなどで応募書類を添削してもらう機会がある一方、高卒の人の場合、応募書類を添削してくれる人を見つけること自体が難しいことも、転職を難しくしにくくしている理由の一つだと考えられます。
転職できない理由3.面接対策がひと時代前からアップデートされていない
高卒で就職した場合、面接を含む就活の指導は多くの人が高校の担任や進路指導の教員から受けた人が多いでしょう。
しかし、実はそこが盲点だったりするのです。
高校教師の多くは、教員免許を取得後、新卒ですぐに高校に教師として配属されます。
つまり、高校の先生自身が、実は「先生という職業しか体験していない、転職活動未体験者」であることがほとんどなのです。
もちろん中には、一般企業に勤めていて、教師になる夢を諦めきれずに教員採用試験に挑戦し、高校教師に転職する人もいますが、ほんの一握りでしょう。
高校で使用されている「面接指導のマニュアル」の通りに面接が進むことは少なく、日々更新されていく転職面接の変化が反映されていないこともあります。
実際、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、多くの企業ではオンライン面接が行われるようになりましたが、高校ではオンライン面接の指導を行うところはあまりなく、高卒で転職活動をする人にとって、面接を乗り切るノウハウがほとんどないままに試験に臨むことになるのです。
コロナ前の少し前時代的な面接対策で転職活動に望んでいる間は、「このまま転職できないかも」と思ってしまうほど、面接試験で落とされる可能性が高いでしょう。
高卒から転職を成功させるコツを徹底解説
高卒から転職を成功させるためには、上記で紹介してきた「転職できない理由」を払拭していけばいいということになります。
そこで、ここでは高卒から転職活動をパスして、無事転職を成功させるためのコツについて紹介します。
実力重視の企業に応募するために、まずは実績を作る
高卒で転職を成功させようと思ったら、まずは学歴重視ではない企業に応募することが第一です。
学歴重視の企業ではなく、実力やポテンシャルを評価する企業に応募することで、まずは書類選考で落とされるようなことはなくなるでしょう。
ただ、実力重視の企業の場合、学歴を重視しない分、アピールできるほどの実績がなければ、一次選考で落とされてしまいます。
だからこそ、今いる企業で「数値でアピールできる実績」を作っておきましょう。
例えば、あなたが営業担当だった場合、1ヶ月で課の平均契約数が5件であるところ、あなたが10件契約を取れた場合、これは「平均よりも2倍の契約件数を獲得できる人材」であることを数値でアピールできます。
もちろん、毎月のようにこのような飛び抜けた成績を取り続けるのは困難です。
「最高で平均の2倍の契約を獲得できたことがある」という言い方にするとして、まずは自分史上最高の成績を作って、実力重視の企業に転職する準備を整えましょう。
転職エージェントを活用して応募書類を添削してもらう
高卒で、近くに応募書類について相談したり、添削してくれる人がいないという場合、転職絵0ジェントを活用することをおすすめします。
転職エージェントは完全無料で利用できるようになっており、転職活動にお金を欠けられないという人にとって嬉しいサービスです。
エージェントは内定者が出ることで企業から報酬が出る仕組みになっているため、1人でも多くの人の転職成功を願ってサポートしてくれます。
そのため、応募書類の添削も、厳しい第三者の目線で行なってくれるのです。
例えば、自分が良かれと思って必ず記載していた情報が、実は採用担当にとってはどうでもいい情報だから削るように指導されることがあります。
一方で、自分では強みだと思っていなかった部分を見つけてもらい、「この部分をもっとアピールした方がいい」とアドバイスをもらえることもあるのです。
転職エージェントは、企業側の採用担当ともコネクションがあり、どういう人材を求めているかについても熟知していることが多くなっています。
だからこそ、応募書類でどんな人材に「見せる」のかという視点で、添削してもらうことができるでしょう。
面接セミナーに参加して模擬面接を繰り返し受ける
高校の就職活動対策で受けた面接練習から、しばらく経つという人は、面接対策の知識を最新のものにアップデートすることをおすすめします。
参加のハードルが低く、すぐに実践に活かせるのは、面接セミナーに参加する方法です。
最近は面接セミナー自体がオンラインで行われることも多く、参加者の条件も高卒・大卒と関係のないセミナーがほとんどです。
面接セミナーでは、オンライン面接の対策などを中心に、希望の業種・職種に合わせて模擬面接を行なってくれるものもあります。
オンライン面接では、ZOOMの基本的な使用方法から、面接に向いている背景の選び方、間の取り方やジェスチャーの使い方などについて学ぶことができます。
オフラインの対面で行われる面接セミナーでは、入退室の練習から行なってくれたり、緊張のあまり言葉に詰まった時の対策まで教えてくれるので、今まで面接で落ちていたという人も安心して本番を迎えることができるでしょう。
ここが狙い目!高卒から転職成功を狙いやすい業界
高卒で転職できないと諦めている人の中で、ここまでで紹介してきた方法はすでに試したという人は、人手不足の業界を狙うことをおすすめします。
いろいろ試してみたけど、やっぱり内定がもらえないという場合、高卒であるということのほかに、応募先が人気の業種・職種すぎて、そもそも門が狭く、採用数が少ないということが考えられます。
そこで、人手不足で「すぐに働ける人を募集したい」業種・職種を選ぶことで、高卒でも転職成功できる確率が高まるのです。
厚生労働省の調査によると、「人手不足感や欠員率をみると、産業別・企業規模別に大きな差がある」という報告があります。
具体的には、「運輸業・郵便業」「サービス業」「医療・福祉」「宿泊業・飲食サービス業」「建設業」において人手不足感が高まっているそうです。(参考:厚生労働省「人手不足や入職・離職等の現状」)
上記のような業界では、人手不足を補うためにできるだけ人が欲しい、でも企業のこれからのことも考えて若手を採用したいという考えを持つ採用担当も多く、高卒であっても20代から30代の若手は内定を取りやすい傾向にあるのです。
先ほどの厚生労働省のデータをもとに、もっと職種を絞ってみると、以下のような仕事が狙い目です。
- トラックやタクシーのドライバー
- 郵便配達員
- アミューズメントホールのスタッフ
- 介護福祉士
- 医療事務員
- 保育士
- ホテルや旅館のスタッフ
- 飲食店のホールや調理員
- 工事現場の作業員
上記のような仕事は人手不足の傾向が非常に強く、求人数も多いため、高卒だからという理由で転職できないということは起こりにくいでしょう。
しかし、中には介護福祉士や医療事務員など、高卒で資格がない人は働けない仕事も含まれています。
確かに資格がないと働けないものもあるのですが、人手不足という理由から、ひとまず無資格でも雇用しておいて、働いている間に研修を受けて資格を取得させてくれる「資格取得支援制度」が整っている企業もあるのです。
しかも、人手不足の業種・職種の場合、国が補助金等を出して待遇を良くしようとする動きが見られます。
介護福祉士や保育士の待遇が改善されるニュースも2021年になって散見されており、転職成功が実現できるとともに、給与面でも良い変化が狙えるでしょう。(参考:毎日新聞「介護職、賃金引き上げ 月5000~1万円、保育士も 政府方針」)
まとめ:高卒が転職できないのは応募先の選び方次第!対策を徹底して人手不足の業界を狙えば転職可能
高卒で転職できないという人の多くは、給与の高さに釣られて学歴重視の企業にばかり応募していたり、書類や面接の対策が高校の就活指導の時点から更新されていないことが原因だと考えられます。
学歴で転職できないという事態を脱するためには、まずは今いる企業で実績を積み、職務経歴書に書けるくらいの実績を積みましょう。
さらに転職エージェントや転職セミナーを活用し、転職活動のノウハウを最新のものにアップデートすることが重要です。
高校で受けられる就活指導は、そもそもが現実に即していないひと時代古いものであることが多く、一般企業で働いたことがない高校教師の指導が実際的ではないこともあります。
だからこそ、まずは転職活動のスキルを身につけ、その上で人手不足の運送・医療福祉・サービス業・建築業などの業界に絞って応募することをおすすめします。
そうすることで、高卒だからという理由で転職できないという危機は脱することができるでしょう。