仕事中の人間関係や仕事のミスなどで心が折れてしまい、深く落ち込んだことがある人は多いでしょう。

しかし、心が折れたからといって退職すべきなのか、乗り越えられることなのか判断に迷うところです。

そこで今回は仕事で心が折れたシーンや原因を踏まえ、心が折れた時の対処法について解説します。

もう出勤したくない!仕事で心が折れるシーンと原因

社会人として働いていると、押し寄せる責任感やプレッシャーも多く、だからこそ心が折れるタイミングも日常に多いでしょう。

心が折れると、もう明日は出勤したくない、退職したい、誰にも会いたくないなど、心理的に落ち込んでしまいます。

そこでここでは、仕事中に心が折れるシーンと、心が折れてしまう原因について解説します。

重大なミスをしてしまい会社に迷惑をかけた時

どんな仕事でも、今日はうまくいった、成果が出せたという日の帰り道は、気持ちが明るくなったりするものです。

その反対に、仕事でミスをしてしまった日は、自分を責めたり恥ずかしく思ったりするのではないでしょうか。

小さなミスでも大きなストレスを抱える人もいますが、特に会社の業績に関わるような大きなミスをしてしまった場合、目の前が真っ暗になり、もう二度と出社したくないほど心が折れる人もいます。

例えば機密情報を含んだ書類を別の取引先へ郵送してしまった、発注する物品の数の桁を間違ってしまった、大切な顧客を怒らせてしまい契約が打ち切りになったなどのシーンでは、多くの人が心が折れてしまうことでしょう。

この場合の心が折れた原因は、ミスをしてしまったことへの後悔や、周囲への恥ずかしさ、出世の希望が絶たれたと思いこんでしまうことが考えられます。

自分自身を責めすぎた結果、「こんな大きなミスをした自分は、もう必要とされないんじゃないか」と追い詰めすぎて心が折れてしまうのでしょう。

社内の人間関係がこじれてしまった・悪くなってしまった時

仕事で心が折れる原因になるのは、仕事そのものだけとは限りません。

厚生労働省の調べによると、退職者の退職理由のうち26.9%の人が「人間関係が良くなかった」と回答しています。

(参考:厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」)

多くの人が職場の人間関係で悩んでいて、そのうちの一部の人は実際に退職という行動に出るほど心を痛めているという実態が見えます。

性別や年代、価値観など様々な違いがある人が集まる以上、何かしらの揉め事が起こるのは仕方ありませんが、中には本当に心が折れるエピソードを体験する人もいるでしょう。

新人をお局が無視する、自分だけ挨拶を無視され続ける、仕事で必要な連絡すら自分にだけ回ってこない、必要以上に強い叱責を受けるなど、人間関係の問題で心が折れたという人はたくさんいます。

しかし、人間関係の問題は、一度悪化すると改善・修復することが困難です。

自分の気の持ちようは変えられたとしても、相手の発言や行動を変えるのは難しいものです。

結局相手からの攻撃・無視といった堪え難い状況が続く限り、仕事に行くたびに傷つくことになり、心が折れる原因となります。

人間関係は修復が難しいばかりでなく、悪化したらさらに悪い方向にエスカレートすることも珍しくありません。

だからこそ、「もう無理だ」と心が折れてしまった人の多くが人間関係を退職理由に挙げて実際に退職してしまうのだと考えられます。

与えられたノルマをこなせず叱責された時

職種によっては毎月「目標」という名のきついノルマを課される仕事も数多く、このノルマが心が折れる原因になる人も多いでしょう。

月に50本以上の契約を取ってくること、高価な商材を週に20件以上販売することなど、「どう考えても無理」と思えるようなノルマを課してくる会社は残念ながら少なくありません。

ノルマが辛いところは、「今月ノルマを達成できなかった」という落ち込みはもちろん、その直前に毎回やってくる「今月あと○日しかない」「あと○件もノルマ残ってる」という焦燥感に追われることです。

日々大きなストレスに押しつぶされそうになり、仕事が終わってプライベートの時間になってもなおノルマのことを考えて眠れない、という人もいるでしょう。

しかも、きついノルマを課している会社ほど、ノルマを達成できなかった時のペナルティが厳しい傾向があります。

部署内のメンバーが複数いる中でわざと呼び出され、大声で「トップと○件も差がある!」「やる気があるのか!」「お前は向いてない」など、パワハラと思われるような叱責を受けた時、音を立てて心が折れてしまい、もう退職したいと考えるのは自然なことです。

給料が上がらずなんのために頑張っているのか分からなくなった時

社会人としての評価は、地位と給料だと言っても過言ではないでしょう。

自分の頑張りが認められて昇進したり、昇給したりすると、仕事ぶりが認められ、きつい仕事でも報われた感覚を得られるものです。

しかし、何年勤務しても一向に給料が上がる気配がなく、さらにずっと昇進することもないことは、徐々に心が折れていく原因となります。

もっと悪いケースでは、後から入社した後輩が先に昇進したり、自分よりもかなり年齢が低い後輩が「給料が少ない」と嘆いていて聞いてみたら自分と同じ給料だったり、社会人として救いがないと感じた時に心が折れてしまうでしょう。

給与テーブルについてしっかり説明がある企業では起こり得ない事態ですが、一部の中小企業やいわゆるブラック企業と呼ばれるような会社では、10年間勤務しても昇給なしというところも実際にあります。

しかし給料はデリケートな話題のため、わざわざ同僚に給料を聞く機会はありません。

ある日ふとした会話で自分以外の給料を聞いて初めて「このままここにいても給料は上がらないんだ」とわかり、そこで心が折れてしまうのです。

心が折れたら退職しかない?対処法3選を解説

折れてしまった心を立て直すのは非常に大変です。

多くの人が真っ先に「もう退職するしかない」と思うことでしょう。

しかし、退職は対処法のうちの選択肢の1つに過ぎません。

そこでここでは、心が折れた時の対処法について、3つ厳選して解説します。

対処法1.信頼できる人に相談してみる

心が折れるということは、具体的に言うとストレスが極限まで高まり、「もう頑張れない」と実感することです。

つまり、この高まったストレスと「頑張れない」という気持ちにアプローチすることで折れた心に対処できる可能性があります。

具体的には「今心に抱えていることを口に出してみる」ことです。

何が不安なのか、何に問題を感じているのか、何に落ち込んでいるのか、言葉に出してみるのです。

効果的なのは、あなたが信頼できると思える人に対して上記のことを相談してみることでしょう。

自分で考えているよりも第三者目線で見てみたら深刻な事態ではなかったり、あなたに責任がないことで悩んでいることに気がつける可能性があります。

「信頼して相談できるような人がいない」という場合で、社内に企業カウンセラーがいる人は、社内制度を有効活用し、一度カウンセリングを受けてみるのもいいでしょう。

「そんな制度はない」という人は独り言を言ってみても、ノートに書き出してみてもいいので、まずは自分の悩みを客観視してみることをおすすめします。

対処法2.自分に合った方法でストレスを発散する

先ほど解説したように、心が折れる原因の中には、「ストレス」という大きな要因があります。

折れてしまった心をなんとかするためには、このストレスに対処するのが有効的です。

ストレスの対処法には「考え方を変えてみる」「ストレスを抱えた心を楽にするためにストレスを発散する」などが挙げられますが、最も手がつけやすいのが後者でしょう。

カラオケに行って大声で好きな歌を熱唱したり、好きなアーティストのライブに行ってみたり、運動で疲れて動けなくなるほど体力を使ったり、美味しいものを食べて満足したり、ストレスの発散方法は人によって異なりますが、自分に合った方法で試してみましょう。

ストレスが解消された後で、心が折れる原因となった問題を考えてみると、「なんとかなるかも」「たいしたことないかも」と過剰に重く受け止めずに済むかもしれません。

必要以上に自分を追い詰めず、リラックスさせるためにも、ストレス発散はオススメの対処法です。

対処法3.退職して心機一転新しい仕事にチャレンジする

考え方を変えてみても、誰かに相談してみても、ストレス発散してみても、やっぱり心が折れたままで、もう会社に行きたくない…と思ったら、その時は本当に退職して、新しい仕事に転職するという対処法もあります。

心が折れた原因にもよりますが、あなたではなく会社の体質や労働環境が悪かった場合、その会社に居続けても、いつかすぐにまた心が折れる時が来るかもしれないからです。

昔と違って、生涯1つの会社に勤めることが正義とは言えなくなってきている今、転職であなたの心が救われ、また頑張ろうと思えるなら、むしろ積極的に選ぶべき選択肢と言えるかもしれません。

自分に合った仕事、会社を選び、今度こそ心が折れないような職場で働くことができれば、将来的に考えても充実した社会人生活を送ることができるでしょう。

まとめ:心が折れたら退職もあり!心が折れた原因を振り返って転職先を選ぼう

仕事でミスをした、給料が上がらない、人間関係が悪いなどの理由で心が折れてしまったら、この記事で紹介した対処法を試してみましょう。

誰かに相談しても、ストレス発散しても、やっぱり退職しかない!と思ったら、転職するという方法もあります。

その際は、心が折れてしまった原因を振り返りましょう。

給料で心が折れたなら次は昇給制度がしっかりしている会社を選び、人間関係で心が折れたら職場の風土が自分に合っている会社であることを確認してから転職すれば、次の仕事では心折れずに気持ちよく仕事を続けることができるでしょう。