これまで正社員になったことがない方の中には「もう正社員として採用されるなんて無理なのでは」と不安になっている方も多いでしょう。

しかし、実はこの少子化の時代、正社員経験がなくても就職できる可能性は拡大しています。

そこで今回は、今から正社員を目指せる方法について解説します。

正社員になったことない人でも年代によっては可能性大な理由

アルバイトの経験はあるが正社員になったことがない人や、そもそも卒業後就職しないまま数年が過ぎてしまったという人も多いでしょう。

しかし家族など周りからのプレッシャーや、自分自身も「正社員になって安定した稼ぎを得たい」と考えている人も同じくらい多いのではないでしょうか。

実は現在の日本では正社員になったことがない人でも、方法や場合によっては正社員になれる可能性があります。

そこでここでは、年代によっては正社員への就職できる可能性が大きいことや、その理由について解説します。

中小企業は深刻な人手不足!正社員として働き手を求めている企業は多い

正社員になったことがない人でも就職できる可能性ある大きな理由は「日本全体に広まる人手不足」です。

もちろん新卒の就活で倍率が何百倍にもなるような大企業などは、人手不足で悩んでいることはなく、優秀な人材の確保に奔走しているため、正社員の経験がない人を採用するケースはほぼありません。

しかし、一方で日本の中小企業はここ数年深刻な人手不足に悩まされています。

中小企業庁の調査によると全ての業種において2009年には人手はむしろ「過剰」な状態でした。

ところがリーマンショックなどの経済危機を経て、2013年以降全ての業種において「従業員が過剰」と答えた企業の割合を「従業員が不足している」と答えた企業の割合が大きく上回ったのです。

つまりこれは、中小企業が全般的に人材不足に悩んでいるということになります。

同調査によると人手不足の状況が特に深刻なのが「建設業」「サービス業」の業種でした。

特にこれらの業種においては、アルバイトに限らず、長く働いてくれる正社員を強く求めていると考えられます。

(参考:中小企業庁「深刻化する人手不足と 中小企業の生産性革命」)

20代・30代は特に需要高!正社員になったことない人にもチャンスはたくさんある

いくら中小企業が人手不足とはいえ、「誰でもすぐに正社員になれる」わけではありません。

転職限界年齢という言葉があるように、40代以降は徐々に求人自体が少なくなっていきます。

「年齢に制限なし」と求人票に記載があったとしてもそれは表向きのことで、実際の採用サイドの内部では「40代まで」などの制限を設けていることがほとんどです。

一方で20代・30代で正社員になったことがない人の場合、企業の需要が一気に上がる傾向があります。

そもそも正社員で雇用するということは、終身雇用の保障がなくなった今でも、ある程度長期的に勤務してほしいということです。

同じ長期間雇用するなら、これからのポテンシャルが見込めて、企業の社風にも溶け込みやすい若い世代を欲しがるということでしょう。

しかも少子化まっしぐらの現代では、若年層の人材自体が不足しています。

新卒の年齢に近ければ近いほど、採用したいと思う企業は多く、需要は高い状態にあるのです。

このような理由から、20代・30代のうちは人手不足の業界においては特に正社員になりやすく、「正社員になったことがある・ない」を問わず内定のチャンスが数多くあると考えられます。

正社員になったことない人が今から内定を目指す方法

アルバイト経験しかなく、正社員としての就職活動経験がない場合、おさえるべきポイントや注意点について把握しておく必要があります。

そこでここでは20代・30代の人材不足を受けて、正社員を雇用したいと考えている企業が多い中、内定を目指すための方法について解説します。

応募書類作成&面接のための対策を念入りにしておく

アルバイトの経験しかない場合、苦労するのが応募書類の作成でしょう。

学歴欄は事実を淡々と書けば済むことですが、問題は「志望動機」「職歴」「自己PR」などの項目です。

志望動機で「人手不足の業界ですぐに正社員になれると思ったため」というような本音を書くわけにはいきませんから、一人一人の状況に応じて採用担当が納得できるようなレベルの文章を作成する必要があります。

例えば「生まれ育った土地で盛んだった建設業がより発展し、豊かな街づくりが叶えられるように、事務職という立場から貢献したいと考えたため貴社を志望いたしました」など、採用担当が納得するような内容です。

職歴については嘘を書いてしまうと「経歴詐称」になってしまいますから、事実を書くしかありません。

職歴がないことについては、志望動機や自己PRなどで簡単に説明し、書類審査通過後に面接で詰められてもいいように準備しておく必要があります。

特に面接では対面で「正社員としての職歴がない理由」について詰められる可能性があります。

就活に失敗したなどのネガティブな理由であっても、表現をポジティブな形で言い換えて、採用担当に対するイメージを損なわないように注意しましょう。

例えば「新卒時に就活には注力したのですが、私の力が及ばず内定をいただくことができませんでした。そこで諦めるのではなく、私は考え方を切り替えることにしました。この1年間、アルバイトで◯◯業界の仕事に尽力し、店舗の売上に貢献できる××という取り組みを率先して行ってきました。」というように、就活が失敗したことは正直に伝えつつも、そこでただ終わりにせず自分なりに努力してきたことをアピールするのです。

アルバイト経験しかないという事実も、このようにポジティブに言い換えることによって採用担当者への印象を明るく変えることができます。

まずは事実をポジティブに言い換える方法を身につけると良いでしょう。

正社員は長期雇用が前提!長く勤務できる会社かどうか企業分析を深めておく

前半でも解説したように、企業が正社員として雇用するということは、短期的ではなく長期的に働いてほしい、簡単に辞めず会社に貢献できる人材がほしいということです。

確かに現在は以前よりも転職する人が増え、転職すること自体にも「長く仕事が続けられない人」というネガティブなイメージよりも「複数の会社から続けて内定をもえらえるほどのスキルがある人」というポジティブなイメージがつきつつあります。

しかし、だからこそ企業側としては雇用してもすぐに転職する人材より、教育コストをかけて育成した人材に長く働いてほしいという意志があるのです。

この気持ちに沿うように、応募する側としても「本当に長期的に勤務できる会社か」を見極める必要があります。

具体的にはスキルや勤続年数など昇給の機会が年に何度あるか、生活していけるレベルの基本給が支給されるか、福利厚生が充実しているか、自分に合った社風か、年間休日が120日以上あってプライベートも確保できる労働環境かなどが挙げられます。

また、企業自体が長続きしそうかどうかについても事前に調査し、企業研究をより深めておくと良いでしょう。

特にこの記事で紹介してきた中小企業の中には、零細で今年持たせるのがやっと、という企業もあります。

そこまで行かずとも、斜陽産業の場合は、会社自体がいつ不渡を出したり、倒産したりするかわかりません。

「ここなら働いてみたい」と思う企業があったら、すぐに応募する前に企業の株価やIR情報をチェックし、業績に問題がないか確認することをおすすめします。

まずは興味が持てる企業を探し、長く勤務できる会社かどうか、自分が求める働き方とすり合わせてみることで、今からでも正社員として長く働くことができるでしょう。

初めて・久しぶりの就活が心配なら積極的に転職サービスの活用を

正社員で働いてみたいけど、きちんと就活したことがない、あるいは久しぶりに就活するという人の中には、「コロナ禍の就活ってどうなっているんだろう」「一人で内定が取れるまで走り続けられるか心配」という人も多いのではないでしょうか。

確かに2020年の新型コロナウイルス感染拡大以来、面接がオンラインになったり、応募書類もデータが原則になったり、最近の就活事情は変わってきています。

また、精神的にもかなりのプレッシャーがかかるため、一人だけで就活するのは不安かもしれません。

そのような人におすすめなのが、無料の転職サービスです。

求人を閲覧するだけの転職サイトと違って、転職サービスの場合はあなたの就職に関する悩みに寄り添った無料カウンセリング後、内定までしっかりサポートしてくれます。

転職サービスにもよりますが、無料相談ではあなたの不安に寄り添うだけでなく、どんな仕事が向いていそうかという相談もできます。

応募書類の添削や、面接対策も無料でしてくれるので、初めて就活をする人や、久しぶりに就活する人にとって、心強い味方ができた感覚になるため、かなり安心して就活に取り組むことができるでしょう。

まとめ:正社員になったことない人も内定は目指せる!年代が若いうちに行動に移そう

アルバイトの経験しかない、働いた経験がないという人は、「自分はもう正社員になれない」と諦めている人も多いかもしれません。

しかしこの記事で解説してきたように、今の日本、特に中小企業は人手不足で、長く働ける若い世代の人材を強く求めています。

一部の大手企業を除いては、職歴がないという理由だけで20代の若い世代を雇用しないという会社ばかりではありません。

応募書類や面接など、きちんと対策しておくことで、職歴がないこともネガティブな印象を持たれないまま内定に持ち込むことも可能です。

ただ、自分一人で応募書類を作成したり、面接の練習をしたりするのが不安な場合は、転職サービスを活用しましょう。

就職・転職に詳しいアドバイザーがしっかりあなたの悩みと向き合い、模擬面接などの充実した対策で内定まで導いてくれるでしょう。