就活生Aさん
元々は大手志望だったのですが、就活の選考で様々な企業を受ける中で”ベンチャー企業”にも興味を持ち始めたのですが、ベンチャー企業は辞めておいた方が良いでしょうか?
チアフル就活担当
ご相談ありがとうございます。一概にベンチャー企業を受けるのは辞めた方が良いとは言えません。ベンチャーならではのメリットもありますし、逆にデメリットもあります。ベンチャー企業のメリット・デメリット・選び方を説明していきますね。
★本記事のポイント(1)そもそものベンチャー企業の定義を知ろう!
(2)ベンチャー企業で働くメリットを理解しよう!
(3)ベンチャー企業で働くデメリットを理解しよう!
(4)ベンチャー企業の選び方を理解しよう!
(5)自分にベンチャー企業が合うか合わないかを見極めよう!


ベンチャー企業への就職は危険?ベンチャー企業の選び方

ここからは、ベンチャー企業への就職が危険なのか?といった部分から選び方までを解説していきます。

ベンチャー企業とは

ベンチャー企業とは、新たな事業へ取り組み、今までにない新しいサービスやビジネスを展開している企業のことを指します。多くの場合、ベンチャー企業は小規模から中規模のスタートであり、最初は財政的に厳しいものの将来の可能性を買われて投資機関から援助を受けていることが多いです。

このような企業が社会で生き残っていくためには、既存の企業がまだ始めていない革新的なビジネスを展開することが求められます。

ベンチャー企業で働くメリットは

ベンチャー企業で働くメリットは

年功序列のイメージがつきまとう大企業とは異なり、会社そのものも若く、入社年次に関わらずチャレンジできる仕事環境を提供するベンチャー企業では、仕事にやりがいを感じられることが最大のメリットと言えるでしょう。

仕事を任せてもらえ、会社に貢献できる割合が高いため、チャレンジ精神旺盛で、向上心のある人が集まる傾向にあります。責任ある仕事を任せてもらえる分、自分のアイデアが目に見える形で実現しやすく、個人の力を試すことができます。

入社年数に沿って横並びに昇給していく会社がまだまだ多い大企業に比べ、ベンチャー企業では、結果によって評価される成果主義となっています。仕事で実績を残し評価を得れば、報酬や待遇に大きく反映される点もベンチャー企業の魅力です。結果を残せば、報酬が良くなるだけではなく、出世をすることも可能です。

年功序列の大企業とは異なり、入社年数に関わらず、早い段階で出世をすることも可能なのです。社長自身も20代から30代等、若い人が多いのもベンチャー企業の特徴。ベンチャー企業では、大手企業よりも若い段階で役職に就くことが多い傾向にあります。

また、将来企業したいと考えている人にとっては、ベンチャー企業で働いて事業の計画や運用を学べるチャンスです。企業の利益の出し方から人を採用する人事まで、将来企業を立ち上げる上で、価値ある経験を積むことができるでしょう。

若いうちから責任のある仕事を任せられるため、ベンチャー企業での勤務経験を通して得られるスキルは高く、万が一転職した際にも、次の職場で即戦力となれる可能性もあります。

ベンチャー企業に就職するデメリットは

ベンチャー企業に就職するデメリットは

仕事に対するやりがいを感じることができるベンチャー企業ですが、その反面デメリットも存在します。ベンチャー企業に就職する一番のデメリットは、倒産のリスクが高いということではないでしょうか。

ベンチャー企業において、最も大切なのが資金繰り。将来性を買われて投資をしてもらえるベンチャー企業がいる一方、投資の支援を受けられず資金繰りが悪化して最終的に倒産してしまう企業も少なくないのです。新規に設立された会社の9割が、10年以内に倒産及び廃業してしまうという統計もあるほどです。

ベンチャー企業での業績は、個人の頑張りや能力も反映されやすくやりがいがある一方で、その責任は大きく、一歩間違えることによって、投資を受けられなくなり、倒産へと追い込まれてしまう危険性も潜んでいるのです。

その状態を含めてやりがいがあるとみなすか、不安に感じてしまうかによって、ベンチャー企業への就職に対する向き不向きも分かれてくるでしょう。

ベンチャー企業の選び方

やりがいがある一方で、リスクも潜んでいるベンチャー企業への就職。しかし、ベンチャー企業としてスタートしながら、その後規模を拡大し、大企業へと成長を成し遂げた企業もいるのです。ベンチャー企業を就職先として選ぶ際に気を付けておきたいポイントをご紹介します。ベンチャー企業に就職したつもりが、最終的には大企業の社員となっているケースもあるのです。

「会社のビジョンに共感できるか」

ベンチャー企業では、個人のやる気がなりよりも大切です。会社を成長させるために頑張れるよう、企業のビジョンに共感できるか確認しておくことは大切です。

また、快く働けるよう、企業の価値観を把握しておくことも忘れてはなりません。特にベンチャー企業の場合、社長の価値観が色濃く反映されている場合も多いものです。社長の価値観についても、あらかじめ企業のホームページや面接などで良く把握しておくことが大切です。

人材の入れ替わりがあった場合にも、ブレずに会社のビジョンに向かって引き続き努力していけるか、あらかじめ考えておきましょう。

「自身の能力に適しているか」

ベンチャー企業で力を発揮するためには、自身の持つ能力に適しているかどうか判断しておくことも大切です。能力に見合っていない企業を選んでしまうと、理想とするような評価を受けられず勤務意欲の低下にも繋がってしまいます。

ベンチャー企業では、結果によって報酬が決まるため、自身の能力で結果がしっかり残せそうな企業を見極めて選ぶのが良いでしょう。

「派手な広告で宣伝し過ぎていないか」

派手な宣伝で多大な広告費をかけているような企業は、警戒しておいた方が良いでしょう。ベンチャー企業では、資金繰りが一番大切。ベンチャー企業から事業を拡大していくには、計画性をもった資金繰りが重要です。資金繰りが悪くなってしまうと一気に倒産してしまうケースもよくあることなのです。

広告に限らず、オフィスや人材採用にお金を使い過ぎているような企業は、気を付けた方が良いでしょう。オフィスの綺麗さや派手な広告とは裏腹に、資金繰りが悪く、給料が低いということも起こりえます。広告やオフィスの見た目だけで判断しないように注意が必要です。

ベンチャー企業から大企業へとなった例

ベンチャー企業から大企業へとなった例

将来の安定が約束されていないベンチャー企業への就職には、不安を感じる就活生も少なくないでしょう。しかし、スタート時はベンチャー企業だったにもかかわらず、その後規模を拡大し、大企業へと成長を成し遂げた成功例もあるのです。

「楽天」

ネットショップというものが確立されていなかった時代に、いち早く着目し、インターネット通販を開設した楽天。現在、総合ネットショッピングモール「楽天市場」として、多くの人に利用されているほか、「楽天トラベル」等のEC事業以外にもオンラインの金融事業等も展開しています。さらに野球やサッカーといったスポーツへの参入も果たしています。

「サイバーエージェント」

多くの著名人も利用するアメーバブログを提供しているサイバーエージェント。社長の藤田晋さんも有名です。インターネットテレビのAbema TVでも注目を集めています。

学生時代に企業を起こし、今や大企業へと成長を遂げたパターンも存在します。

「リクルート」

株式会社リクルートの創業者である江副浩正さんは、学生時代に掲示板で見かけた求人募集を東大新聞に広告として載せられないかと考え始めたのが、広告事業の始まりだったそうです。1958年に開始したこのサービスは、現在WEBサービスとして形を変えながらも今もなお多くの学生に利用され続けています。

「ソフトバンクグループ」

アメリカ・カリフォルニア州にあるホーリーネームズ大学の学生だった孫正義さんが、お金を稼ぐために1日1個の発明を1年間続け、その過程で発明した音声装置付きの多国語翻訳機をシャープに自ら売り込み、1億円で買い取ってもらったのが今あるソフトバンクの始まりです。孫正義さんのバイタリティは、多くの人が今もなお敬っています。

「ライブドア」

ホリエモンとして今や知らない人はいない堀江貴文さんも学生時代に企業を起こした人達のうちの一人です。堀江貴文さんは、大学4年生のときに、Webサイトの制作会社を立ち上げています。企業のサイト制作や運営をしつつ事業を伸ばしながらライブドアを買収して一気に事業を拡大しました。

「マイクロフト」

マイクロソフトの創始者・ビルゲイツも学生時代に友人と一緒に企業を起こしたことが始まりでした。ビルゲイツの場合は、高校生の時点で既に企業を起こしていたそうです。高校生の時点でアメリカの州政府に対し、交通量を調査するシステムを販売していました。当時まだ世で販売されていない技術を備えたソフトを開発したビルゲイツの能力の高さには驚くばかりです。

「Facebook」

Facebook創業者のマークザッカーバーグが企業したのは、アメリカのハーバード大学在学中の時でした。最初は、ビジネス目的ではなく、大学の同級生向けにサービスを提供していたそうです。しかし、同級生へ向けたサービスがその後形を変え、世界中で利用されるFacebookというサービスへと変貌を遂げたのです。

ベンチャー企業から大企業へと成長を遂げた企業の数々をご紹介しました。今や大企業の創業者も始めは、個人の力と能力によって始まったのだと思うと、ベンチャー企業を目指す就活生の大きな励みとなるでしょう。

同時にベンチャー企業で働く若者への手本となり、多大なる勇気を与えていることでしょう。アイデアと行動力、そしてイメージを形にする技術力を併せ持った成功者の姿は、就活生にとって大いに参考にしたいところですね。

ベンチャー企業に向いている人・向かない人の特徴

ベンチャー企業に向いている人・向かない人の特徴

仕事を任せられ、やりがいを感じられるベンチャー企業では、結果を残すことが何よりも求められます。その為、上司からの支持を待っているような受け身のタイプではなく、主体的に責任感を持って行動できる人が適しているでしょう。

自分のポリシーや価値観をしっかり持っており、周りの意見に流されない強さも、ビジネスにおいてビジョンを実現するためには大切な要素です。

また、大企業が手掛けていない新しいサービスを提供し、社会の中で生き残っていく道を模索していくベンチャー企業では、先見性があり向上心の強いタイプが向いているでしょう。

コミュニケーション能力が高く、情報収集に長けており、人や社会の動きに敏感な人は、先見性があり、ビジネスのチャンスを掴みやすいものです。情報に対する感度が高く、分析や洞察に長けている就活生は、ベンチャー企業に向いていると言えるでしょう。

既存に満足している状態では新しいものは生まれませんが、常に好奇心をもってチャレンジしていく姿勢が、ベンチャーには不可欠なのです。

また、新しいビジョンを実現するためには、リーダーシップや行動力も必要です。チームを引っ張るリーダーシップや説得力、主体的な行動力をもった人もベンチャー企業には適しているでしょう。計画や目標を自分で設定し、それに向けて達成するという自己管理能力も必要です。

さらに、ベンチャー企業が新しいサービスを提供し社会で残っていくためには、アイデアと技術が必要です。常に好奇心をもっていて、様々なことに興味を持ち情報収集していく姿勢と、向上心をもって新しい技術の習得に励むような人材も必要です。

また、就活の際に、安定性を最も重視する人には、ベンチャー企業への就職は向かないと言えるでしょう。ベンチャー企業のように、社会における新しい価値を生み出すためには、何よりもリスクを恐れないチャレンジ精神と、例え失敗してもまた這い上がるタフさ、そして切り替えが必要とされるのです。

自分の将来を心配するがゆえに、会社に安定性を求める人は、ベンチャーには向かないでしょう。さらに、自主性を持っておらず受け身な姿勢でいる人は、ベンチャー企業には適さないと言えるでしょう。新しい事業を開拓するベンチャーでは、マニュアルなどは存在しません。自分で考えて行動できる人材が望まれるのです。

また、仕事とプライベートを切り離し、仕事は仕事と割り切って働く人にはベンチャー企業への就職は向いていないと言えます。割り切った状態では新しいアイデアは生まれにくく、ベンチャー企業から有望な人材として評価される可能性は低くなってしまいます。

個人の努力が大きく反映されるベンチャー企業では、自分が企業を成長させるというくらいの意気込みをもって臨んでいくことが大切です。仕事が趣味というくらいの感覚でいる人の方がベンチャー企業には適しているでしょう。

ベンチャー企業への就職はハイリスクとハイリターンを併せ持つ


倒産というリスクを抱え、個人に至っては失業のリスクも併せ持つベンチャー企業への就職ですが、ベンチャー企業から始まり大企業へと成長を遂げた成功例も多く存在しています。

リスクも受け入れた上で、チャレンジする覚悟がある人であれば、責任のある仕事を任せられ、自己の能力を磨くことができるベンチャー企業での就業は、価値あるものとなるでしょう。

一方、将来の結婚生活や老後のことなど長きに渡って安定を望む人であれば、それに見合った就業先を探すことがベストとなるでしょう。自身の人生における価値観をあらためて考慮し、それにあった就活をすることがおすすめです。良い面も悪い面も知ったうえで企業選びをしていきましょう。

本記事のおさらい(1)ベンチャー企業とは新しいビジネスや事業を展開している会社
(2)ベンチャー企業のメリットは裁量があり成長できる環境がある
(3)デメリットは大手企業に比べ資金面などでリスクがある
(4)世界の有名企業も昔はベンチャーであった
(5)ベンチャーに向く人は主体的に考え行動できる人

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