就活も伝え方が9割?自分の熱意を企業に伝える伝え方

面接では、限られた時間で自分のことを伝えなければなりません。どんなに内容が優れていても、伝わらなければ通過することができないのが面接の難しいところ。

しっかりと伝え方を考えて、自分の熱意を面接官に届けましょう。

事前の準備が不可欠

事前の準備が不可欠

何の準備もなしに面接に臨むのは、裸で敵陣に突っ込んでいくようなものです。面接試験を通過するにはまず入念な事前準備が必要になります。少なくともほぼ確実に聞かれる志望動機と自己PRについては必ず準備しておきましょう。

聞かれたことにスムーズに答えられる、というだけではなく、それが熱意となって面接官に届くようになるからです。スポーツを見ているとき、選手がそこで披露する活躍だけではなく、その裏に隠れた努力や覚悟を察して感動することはないでしょうか。面接もそれと同じで、事前の準備が本番にかける覚悟となって表れることがあるのです。

事前に業界研究や企業研究をしっかり行っていると、本番で業界や会社のどのような部分に魅力を感じているのか、入社後は何をしたいのかといったことが具体的に伝えられるようになります。

話が具体的であるというのは非常に重要で、「自分たちの会社を良く知ってくれている」と面接官にアピールすることにも繋がります。また自己PRの準備で自己理解を深めることで、業界や会社のどのような部分が自分とマッチしているのか、といった部分もしっかり伝えられるようになるのです。

ただし、準備をしてきたことをアピールしたいがために、仕入れた知識を面接で羅列するのは良くありません。面接は調べてきたことを細かに披露する場所ではないからです。

事前準備の目的は、面接に至るまでに費やした努力や本気度を面接官に伝えることにあります。もちろん、面接の事前準備は面接試験突破のためには欠かせないものですが、内容を練ると同時に熱意を伝えることにも繋がるのだということを覚えておくといいでしょう。

熱意を伝えるのは言葉だけではない

コミュニケーションには、言葉による「バーバルコミュニケーション(言語コミュニケーション)」と言葉以外の「ノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)」の2種類があります。

ノンバーバルコミュニケーションは顔の表情や声の大きさ、視線、姿勢、ジェスチャーによるコミュニケーションのことで、会話では話す言葉だけではなく、そうした言葉以外の事柄からも情報を読み取っているのです。心理学の実験では、このノンバーバルコミュニケーションが話し相手の印象を大きく左右することが分かっており、なんと非言語的な要素で9割の印象が決まってしまうと判明しています。

この実験結果は面接にも適用できます。つまり話す内容ばかり練るのではなく、それ以外の部分も非常に重要だということです。

まずは姿勢について考えましょう。姿勢よく座ることは面接では当たり前ですが、意外にできていない人が多いのも事実。本人はきれいに座っているつもりでも外から見るとだらしなく見えてしまっていることがあります。

緊張してガチガチになってしまったり、話しているうちに姿勢が崩れてしまうことも多いので注意したい部分です。姿勢を良くして座ると、印象が良くなる上に緊張をほぐすこともできるので、着席を指示されたらポイントを意識して座るようにしましょう。

椅子に腰かける時は、背もたれに寄りかからないようにします。大体座面の3分の2を使うイメージで、浅めに座るようにしましょう。足は男女共直角になるような形で揃えます。

それを基本に、男性は肩幅くらいに軽く開き、女性は隙間ができないように両足をしっかり揃えて座りましょう。これを意識すれば、きれいな姿勢で座ることができます。

慣れていないと窮屈に感じてしまうかもしれませんが、意識してできるようにしておきましょう。できているか心配なときは、友人や家族に一度姿勢を見てもらうのがおすすめです。

志望動機を伝える時は

志望動機を伝える時は

企業が採用したいのは「自分の会社に本気で入りたいと思っている人」です。だからこそ、志望動機は多くの企業が最も重要視している項目になります。ここで熱意を示すことができれば、大きなプラスポイントになるでしょう。

しかし本気で入社したいと思っていることを伝えるのは難しいものです。伝え方を工夫して、面接官に熱意を届けましょう。まず大切になるのが、会社を褒めるだけでは駄目だという点です。これは企業研究をしっかりと行った人がやりやすいミスです。

会社を褒めることは、面接官に「自分の会社を知ってくれている」と伝えることにはなるものの、熱意を伝えるには至らないのです。

会社を褒めるだけでは「なぜこの会社を志望するのか」という部分が伝わりません。会社を調べれば誰でも言えるようなことを言うだけでは熱意は伝わりませんし、他の志望者との差別化にもなりません。

「なぜこの会社なのか」「この会社で何がしたいのか」ということに重点を置いて伝えられるよう工夫していきましょう。やりたいことや目標だけではなく、なぜそれを目指すようになったのかという根拠や、業界志望動機、目標と一致する会社の特徴などを意識すると、説得力のある志望動機を作ることができます。

就職活動で1社のみに絞って応募する、という人はいないでしょう。それは面接官も分かっているので「この会社一筋です」と言う必要はありません。それでも「この会社でないとだめなのか」という部分に説得力を持たせることは大切になります。

入りたい業界がある場合、業界そのものに対する動機は同じになるでしょう。本が好きだから出版業界、建築に携わりたいから建築業界というのは正しいアピールです。

そこから一歩進んで、なぜこの会社を選んだかについてもしっかりと伝えられるようにしておきましょう。同業界同業種であっても、会社の特徴は様々です。しっかりと調べた上で志望動機を練っていきましょう。

人柄アピールはできるだけ具体的に話す

自分はこんな人間である、と説明するのは難しいものです。面接に臨む前に自己分析をしっかりと行い、人柄をアピールできるよう準備しておきましょう。「あなたはどんな人ですか?」と聞かれたとき、一番いいのはこれまでの人生で頑張ったことをしっかりと伝えることです。

一生懸命頑張ったことには、その人の好さや熱心さが現れるものだからです。サークルやアルバイトなどの経験がある人はもちろんそれを伝えればいいでしょう。ただし「どんな経験をしたか」だけではなく「どう頑張ったか」を伝えられるようにしなければなりません。

サークルやアルバイトは大勢の学生が経験していることです。ただ内容だけを話しては変わり映えのしないものになってしまいます。

逆に自分にしか語れないエピソードを話すことができれば、それは他の志望者との大きな差別化になるでしょう。それには「こんなことを考えて、こんなことに取り組んだ」という、自分の思考と行動のプロセスを伝えることが大切になります。

サークルのリーダーとして活動したのであれば、単にその事実だけではなく「なぜリーダーになろうと思ったのか」「どのようにメンバーを引っ張ったか」「その経験から何を学んだか」まで踏み込んで伝えられるようにすることが大切です。

面接中の声と動作

面接中の声と動作

話す内容が優れていても、伝わらなければ意味がありません。面接官に熱意を伝えるためのポイントについても知っておきましょう。まずは声です。棒読みで表情も暗い状態で話すと、熱意が低そうにみえますし、周りの空気も暗くしてしまうのでは、と思われてしまいます。明るく笑顔を意識して話すようにしましょう。

抑揚も大切です。はっきりハキハキ喋ることは重要ですが、一生懸命になりすぎて始終大きな声で話すのは効果的ではありません。大切なのは変化を付けること。重要な部分や特に伝えたい部分を強く言い、他は抑え気味にすると、どこを聞いてほしいのか伝わりやすくなります。

変化を付けると効果的なのは、声だけではありません。表情も質問の内容に応じて変えるとより効果的です。「面接は笑顔が基本」ではあるものの、ずっと笑顔なのは不自然に見えてしまうからです。

また、苦労した経験や大変だったことを笑顔で話されても、内容に説得力が出ません。難しい質問をされたときは難しい表情をしても大丈夫。面接官とコミュニケーションを取っているのだということを忘れないようにしましょう。

表情と同様に気を付けたいのが目線です。「話をするときは相手の顔を見て」とはいうものの、目を直視され過ぎると面接官は不自然さややりにくさを感じてしまいます。相手の目を凝視するのではなく、鼻のあたりを見て話すのがいいでしょう。

目を見つめ続けるより緊張しにくいというメリットもあります。逆に「ここはしっかりと伝えたい」という部分については、面接官の目をしっかりと見てアイコンタクトを取ってから話し始めるといいでしょう。熱意や意思の強さが伝わりやすくなります。

日本人はジェスチャーが苦手だと言われていますが、面接ではできるだけ身振り手振りを交えて話すようにしましょう。特に志望動機や自己PRのときに取り入れると説得力が増します。

ただし不自然なジェスチャーは逆に悪印象になってしまうので、どうしても苦手だという人は無理に行う必要はありません。また、大げさすぎるアピールや体全体を使ったジェスチャーは過度アピールとなり嫌がられます。

いくつか項目を挙げて話す際に指を「1つめ、2つめ」と立てるような身振りも、面接では嫌味です。限度を意識して取り入れていきましょう。

伝え方のテクニックを身に付けよう

「熱意を伝える」と聞くと勢い込んでしまいがちですが、それでは面接を突破することはできません。見せかけの一生懸命さではなく、この会社に入りたいのだという気持ちをアピールするよう心がけましょう。そのためには事前の準備が不可欠です。

特に志望動機と自己PRは重要なので、しっかりと答えられるように練習しておきましょう。面接中の立ち振る舞いや、声、目線といった要素も大切になります。できているか不安なときは周りの力も借りながら、熱意を伝えるテクニックを磨いていきましょう。

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