就職活動時の面接で聞かれる短所・長所の伝え方

面接時に必ずと言っていいほど聞かれる質問が、あなたの長所と短所に関するものです。日常会話で自分の長所を話す機会は滅多にないため、どのように伝えれば良いか戸惑う人も少なくありません。

実際に面接の場面で戸惑わないように、事前に長所と短所の効果的な伝え方を押さえておきましょう。

長所を伝えるポイント1:企業にマッチした長所を選ぶ

就職活動の面接時に伝える長所をどのようなものにするか決める際、企業がどのような意図をもって長所を知りたがっているかを意識しましょう。

採用担当者が長所を通じて一番知りたいことは、企業とあなたがマッチングするかどうかです。そのため、企業が求めている人材から大きく離れるような長所は望ましくありません。

企業が求める長所を伝えるには、企業研究や職業研究を欠かすことができません。ろくに企業研究もせず見当違いの長所をアピールしてしまうと、「この人は会社のことを何もわかっていない」と採用担当者に思われる可能性があります。企業が求める人材像はどのようなものか、応募職種に必要なスキルはどのようなものかを意識することが大切です。

ただし、これはあくまで判断材料に過ぎません。露骨に企業が求める人物像に当てはめようとすると、面接での発言内容に信ぴょう性が欠けて、逆に悪いイメージを持たれる場合もあります。自分の中にある要素で、応募先の企業とマッチしそうなものを長所としてピックアップします。

このように、企業が求める人材像によって長所を決めると、他の企業での面接時に長所を流用することが難しくなります。同じ業界や似たような職種での応募ならば、ある程度は同じ長所でも通用するでしょうが、関連がない企業や職種ではそうはいきません。このとき、面倒に思っても必ず応募先企業に合わせた長所を考えておきましょう。

応募先に合わせて志望動機を変えるにもかかわらず、長所を変えない理由はないはずです。必ずしも変える必要はありませんが、面接前には「この企業にはこの長所で問題ないかな」と考え直してみてください。

長所を伝えるポイント2:アピールポイントを絞り込む

面接でよく陥りがちなミスが、自己アピールで伝えた内容と長所の内容が異なってしまうことです。確かにあなたは長所がいくつもある魅力的な人かもしれません。しかし、限られた時間の中でそれらを全部アピールしようとすると、一つ一つの印象が薄れてしまいます。本当に伝えたいポイントを一つに絞ってアピールした方が、採用担当者の印象に強く残り効果的です。

また、アピールポイントを絞り込むと同時に、面接全体の構成にも気をつけましょう。例えば、長所としてコミュニケーション能力の高さを挙げたとします。その後の質問で学生時代に頑張ったエピソードを聞かれたとき、誰にも頼らず一人で勉強に打ち込んだエピソードを話しては、先ほど挙げた長所との整合性が取れなくなってしまいます。

コミュニケーションとは正反対のエピソードを聞いた採用担当者は「さっき言った長所は嘘だったのか」と感じてしまいかねません。長所にコミュニケーション能力を挙げたのなら、それにまつわるエピソードを用意しておいた方が無難です。

長所を伝えるポイント3:エピソードを添えて印象づける

面接で長所を伝える際、「私の長所は○○です」だけで終わらせてしまうようなことは避けましょう。当然ながら採用担当者とあなたはほぼ初対面です。そのため、あなたが話す長所が本当かどうかを判断することはできません。したがって、採用担当者に信じてもらえるようなエピソードを付け加えることが大切になります。

付け加えるエピソードとは、あなたがそれを長所だと思えるようになったきっかけのことです。コミュニケーション能力の高さが長所ならば他人と協力して何かを達成したエピソードを、継続力が長所ならば長い期間継続し続けているものについて話します。このように、根拠となるエピソードを付け加えることで、長所に対する信ぴょう性が増します。

また、その長所を入社後どのように活かしていきたいかも具体的に話していきましょう。あなたの長所が何かわかっても、採用担当者からすれば「それが何?」と思ってしまいます。入社後の展望を話すことで、採用担当者にあなたが将来活躍している姿を想像させることが大切です。

長所をどう活かしていくか話すときに大切なのも企業研究です。あなたが想像する未来の自分と、実際に働いている人たちの像があまりにもかけ離れてしまうと、「この人はうちの会社でうまくやっていけないのでは」と採用担当者が心配してしまいます。思いっきり活躍する自分を想像するのも良いですが、現実感のある程度にとどめておきましょう。

短所を伝えるポイント1:知りたいのは客観性

自分の短所を採用担当者に伝えるのは抵抗があるものです。ほとんどの人は長所だけを見て欲しいと思うことでしょう。では、なぜ面接官はそんな意地悪とも思えるような質問をするのでしょうか?

短所を聞くことで知りたいのは、あなたが自分をどれだけ客観的に見ているかという点です。

組織に所属する以上、他人と関わり合いながら仕事を進めていくことになります。そこで大切なことが、自分が他人からどう見えているかを把握することです。自分を客観的に捉えられない人は、自己中心的であったり、コミュニケーション能力に乏しかったりする傾向があります。そのような人を組織に入れることはリスクを伴います。

また、自分の短所に気がつける人は、短所を克服する力を持っている人だとも言えます。当然ながら、どこが悪いかを知らなければ直すことはできません。自分の短所を客観的に捉えられる人ならば、会社に入った後でも克服しようと努力したり、克服できなくとも補う方法を模索したりすることができます。

ただし、社会人として相応しくないと思わせるような短所を伝えることは避けましょう。

例えば「時間にルーズである」「約束を守らない」などの短所は、いくら本当のことであっても伝えるべきではありません。その後にどれだけ良いことを言っても、社会人として最低限のことができない人間をわざわざ採用する企業はないでしょう。また、応募した企業や職種に不向きだと思わせるような短所も避けた方がベターです。「うちには合わない」と思われるだけで、何のアピールにもなりません。

短所を伝えるポイント2:どう向き合っているかが大切

短所も長所と同様に、「私の短所は○○です」と伝えるだけでは不十分です。短所は、決して自分のダメなところ知ってもらうためだけに伝える訳ではありません。伝え方次第では自己アピールにもなるのです。

短所を伝えたときに良い印象を持ってもらうには、短所とどう向き合っているか、克服するためにどのようなことを実践しているかを話すことが大切です。

これを伝えることによって、問題に直面した時にどのように行動できるかをアピールすることができます。仕事をしていると、多かれ少なかれトラブルにあうものです。その時にトラブルを放置するような人間では、安心して仕事を任せることができません。「この人なら問題が起こっても対応できるだろう」と思われるような自分を演出しましょう。

また、短所を克服しようとしている姿を見せることで、あなたの向上心をアピールすることもできます。なぜ企業は教育の手間がかかる新卒を欲しがるのでしょうか?それは、会社を盛り上げてくれるような若いパワーが欲しいからです。そこに向上心のない新卒の新入社員が入ってきては、新卒を採用した意味が薄れてしまいます。短所をうまく利用して、向上心溢れる若者をアピールしてみるのも一つの手です。

長所も短所も結論から伝えよう

長所や短所だけにかかわらず、面接での回答はまず初めに結論から言うようにしましょう。例えば「私の長所は○○です。なぜならば~」といった感じです。先に結論を言ってしまわないと、採用担当者はどこに注目しながらあなたの話を聞けば良いかがわかりません。特にエピソードなどが長くなってしまうほど、何を伝えたいのかわかりづらくなります。

長所の場合は、結論を先に言ってから根拠となるエピソードを伝え、入社後どう活かしたいかで締めくくるのが理想的です。先に結論を伝えておくことで、長くなりがちなエピソードの内容もすんなり頭に入ってきます。
短所の場合は、結論を言ってから短所とどう向き合っているかを伝えます。どんな短所かわからないうちに対応策の説明をされても、内容を理解できる人はまずいないでしょう。

的確に相手に伝わるような話し方をしなければ、長所・短所以前に「コミュニケーション能力に問題あり」のレッテルを貼られてしまいます。どのような仕事でもチームプレーが必須です。そこで意思疎通が取れないような人間を採用する可能性は非常に低いです。相手を思いやった話し方ができるように心がけましょう。

長所も短所も胸を張って伝えよう

長所と短所は、どれだけ自己分析と企業研究ができているかのバロメーターになります。しっかりと対策が練られていることがわかれば、その企業に入社したいという情熱を感じることができるものです。そのためには、なぜ面接官はそのようなことを聞くのか、どのように伝えれば相手を納得させられるのかという視点で準備をしておくことが大切です。

長所はもちろんのこと、短所でさえ伝え方次第では自己アピールになります。限られた面接時間をフルに活かして、自分の魅力と入社への情熱を存分にアピールしましょう。

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