転職求人に「第二新卒枠」があるように、一定の企業では第二新卒は期待されている人材でもある一方、「第二新卒は使えない」という理由で不採用になるケースもあります。

しかし、使えないと思われている場合は、実際に面接などの場でそう思われても仕方がない原因があるものです。

そこで今回は、第二新卒が使えないと思われてしまう理由や、使えないと思われないようにするために転職活動でどのように工夫すればいいのかについて解説していきます。

転職活動で使えない!と思われてしまう第二新卒の3つの特徴

転職活動中に採用担当から「この人は使えないな」と思われてしまう第二新卒には、ある程度共通した特徴があります。

ここでは、主に面接官が感じることが多い、使えないと判断するときの特徴について紹介します。

自分に当てはまる特徴がある場合は、転職試験中にその特徴が出ないように対策しましょう。

使えないと思われる特徴1:根拠のない自信がある

自信があるのはいいことですが、転職活動の中では「根拠がある自信」しか意味がありません。

ここで言う根拠とは、「前職では3年しか在籍していなかったのに、常に営業成績TOP5に入っていた」「自分が関わったプロジェクトで、企業の業績が○%アップした」など、具体的な数値を挙げて説明できることです。

根拠のない自信とは、上記のような具体的に示せる結果がないにもかかわらず、「自分ならできます」と主張してしまうことです。

面接官は「では、できると答えられる理由は何ですか?」と質問しますが、根拠のない自信がある人は、「やる気があるからです!」などのように、ふんわりとした回答しかできません。

根拠がないのに自信がある第二新卒は、何か教えようと思っても「知ってます!できます!」と答える傾向があり、採用側としても扱いにくく、使えないと思ってしまうのです。

使えないと思われる特徴2:面接中の敬語が明らかにおかしい

第二新卒の面接をしていて、新卒に次いで感じやすいのが「言葉遣いに関する違和感」です。新卒の場合は、まだ社会経験がないことから、ある程度面接官も目をつぶることもあります。

しかし、第二新卒の場合、社会経験があるにもかかわらず、大切な面接という場面ですら正しい敬語が使えないことは、負の印象しか与えません。

特に面接中に「この人、採用しても使えないかも」と思われてしまうのが、尊敬語と謙譲語の使い間違いです。実際にあった例を挙げてみましょう。

「私の尊敬する人は、お母さんです。お母さんは毎日家族のために働いてくださり、さらに家のことまでしてくださり…」

身内である母親に対して尊敬語を使っていることから、面接官は数秒で「この第二新卒は、採用してもビジネスマナーから教育コストがかかるな」と判断します。

緊張して言い間違える分には、対して気にしない面接官が多いのですが、このような間違った敬語を面接の中で何度も使用している場合は、使えないと判断されてしまうでしょう。

使えないと思われる特徴3:第二新卒とはいえ明らかに前職の在職期間が短い

第二新卒の明確な定義はありませんが、一般的には新卒で入社した職場を1~3年の間に辞めた社会人を指します。そのため、1年未満で辞めた人は厳密には「既卒」扱いになるでしょう。

しかし、新卒で入社した企業を1年未満で退職した人も、転職活動の際に第二新卒としてカウントされることもあります。

前職の在職期間が1年未満で、3ヶ月や半年で辞めたという人の場合、採用担当は「採用してもまたすぐに辞めるかもしれない」「そもそもこんな短期間に新卒で入社した会社を退職するなんて、何かよほどの原因が本人にあるのかもしれない」と思われてしまう可能性があるでしょう。

止むを得ない事情があったとしても、面接官にその事情が伝わる前に、「使えない」と偏見を持たれるかもしれません。

第二新卒でも使えないと思われないための対策を徹底解説

ここまで紹介してきたように、面接や書類から滲み出る根拠のない自信や言葉遣い、明らかに短すぎる職歴は、「使えない」というレッテルを貼られやすいものです。

しかし、反対に考えれば、レッテルを貼られやすい原因を把握しておくことで、「使えない第二新卒」という印象を回避できます。

ここでは、書類審査や面接試験で「使えない第二新卒だな」と思われないための対策について解説します。

定量化できる”自信の根拠”を準備して転職活動に臨む

第二新卒でも本当に仕事に対する自信があって、前職でそれだけの業績を残してきたのであれば、アピールしない手はありません。

使えないとレッテルを貼られる第二新卒は、自信があっても根拠がないのが問題点でした。

だからこそ、その前職で身につけた自信には、ぜひ数値で具体的に示すことができるよう、定量化しましょう。

  • 前職で導入を進めた新システムにより、月の受注件数を15%アップさせた
  • 営業成約件数を半年で30件増やすことに貢献した

このように、数値で示せる自信の根拠があれば、どんどんアピールすることで、「使えない」どころか「使える第二新卒」という印象を与えることができるでしょう。

もしも前職の仕事が数値化できるような仕事内容ではない場合は、アピールできるほどの結果を残せなかったという場合は、面接中の態度を改める必要があります。

自信たっぷりに回答するよりは、以下のように回答しましょう。

「一定のビジネスマナーは身につけてまいりましたが、社会人としてはまだまだ経験不足の一面があると自覚しております。御社では即戦力となれるよう、自発的に学びに行く姿勢で、先輩方からいち早くスキルを学ばせていただきたいと考えております。」

というように、「第二新卒だからこそ、まだ伸びしろがあるから学ばせてほしい」という謙虚な姿勢で臨むようにしましょう。

身内は謙譲語・企業には尊敬語を意識して書く・話す

応募書類や面接中の言葉遣いで採用担当がどうしても気になるのが「謙譲語・尊敬語」の使い分けです。

使えない第二新卒と思われないようにするためには、「身内」と「企業」についての敬語を使い分けられるように準備しておきましょう。

例えば、「尊敬できる人は自分の母親である」と面接で答えるには、「お母さん」ではなく「母」と表現します。

「私の尊敬する人は、私の母です。母は毎朝家族のために朝4時に起きて弁当や朝ごはんを作り…」というように、あなたの身内に対しては丁寧な言い方をしないのがポイントです。

一方、企業について語る際には、徹底的に尊敬語や丁寧語を使いましょう。

「転職フェアの際にご説明いただいた○○様の・・・というお言葉にいたく感銘を受けました」というように、企業の担当者や企業そのものについて語る場合には、常に自分よりも立場を上げた言葉遣いになるように意識すると良いでしょう。

第二新卒は、新卒よりもビジネスマナーが身についていることが武器でもあるため、正しい言葉遣いをすることで、使える第二新卒という印象を与えることができるでしょう。

納得できる退職理由を準備!発言も前向きなものに統一

非常に短い期間で前職を退職してしまったという場合も、退職理由を工夫して話すことによって、使えないというレッテルを貼られずに済みます。

ただし、この退職理由を説明する時、前職の職場のせいにしてしまうと、「失敗を環境のせいと言い訳する使えない第二新卒」と思われる可能性があるため、注意が必要です。

具体的には、退職理由をポジティブな伝え方に変換すると良いでしょう。

例えば、「休みが少なくて業務負担が大きすぎたから」というネガティブな理由で辞めていたとしても、同じ事実をポジティブな方向から見直して再定義するのです。

「前職では21連勤など、プライベートの時間が持てないほどの業務を任されておりました。自分にしかできない仕事だと考え、しっかりと業務に取り組んでまいりましたが、あるときケアレスミスにより、職場の先輩方にご迷惑をおかけしてしまい、もっと精神的にもしっかり集中できる環境で自分の最大限の力を発揮したいと考え、短期間ではありますが再挑戦を目指して退職させていただきました。」

というように退職理由をポジティブに伝えることによって、「使えないどころか、環境によってはまだまだ伸びる第二新卒」という印象を与えることができるでしょう。

まとめ:第二新卒は使えないなんて言わせない!言葉遣いや態度で使える第二新卒に!

第二新卒は、言葉遣いや根拠のない自信、前職を短期間で辞めている理由などによって「使えない」というレッテルを貼られることがあります。

しかし、今なお転職市場で第二新卒の需要が高いことから、応募書類を作成する時や面接試験を受ける時に、「使えない」と思われる特徴に当てはまらないように注意すれば、むしろ内定がもらいやすくなるチャンスでもあります。

自信の根拠は数値で示し、数値で示せるものがない場合は丁寧・謙虚に学ぶ意欲がある姿勢をアピールしましょう。

敬語については付け焼き刃では面接当日にボロが出る可能性もあるため、自分の敬語に自信がない人や、過去に言葉遣いについて指摘されたことがある人は、余裕を持って事前に学び直すことをお勧めします。

退職理由もポジティブな内容に言い換えられているか確認し、面接官からみて「使えない」どころか「使いたくなる」第二新卒に映るよう、事前にきちんと準備しておきましょう。